税務相互相談会の皆さん
下記について教えて下さい。
【税 目】
所得税<譲渡所得>(武田秀和税理士),相続税・贈与含む(井上幹康税理士)
【対象顧客】
個人
【前 提】
兄弟で2分の1ずつ所有している居住用不動産(土地建物)があり、
住宅ローンに関しても兄弟がそれぞれ半額ずつ負担する形で借入を行いました。
ところが兄が失業し住宅ローンの返済をする資力がなくなってしまったために、
弟が兄の口座に返済資金を振り込み、兄の口座から住宅ローンの返済を行っておりました。
(その間の贈与税申告は行っておりませんが、年間返済額は基礎控除の範囲内と考えらえれます)
この度、住宅ローンの返済が完了したところ、兄弟間の話し合いにおいて、
不動産の取得資金は実質的に弟が全額支払っているため、
持分をすべて弟にしたいという話になりました。
【質 問】
質問① 上記のように実質的に弟が住宅ローン返済を行っていたとしても、
不動産名義は兄弟が2分の1ずつとなっているため、
兄の持分について弟の資産として主張するのは難しいと考えておりますが、いかがでしょうか。
(弟が実質的に資金を負担したのに、不動産を取得する際に兄からの贈与という扱いになるのが納得がいかない、
という主張です)
資金の実質的な負担者が弟としても、それはあくまでも返済資金の贈与であり、
不動産そのものの購入ではないため、不動産の所有権はあくまでも
登記名義上の所有割合と一致するものと考えております。
質問② 兄の持分を弟に無償で移転するにあたって、
持分の放棄と持分の贈与という二通りの方法があるかと思います。
持分の放棄であれば、民法255条により放棄された持分は
他の共有者に帰属するところ、他の共有者は弟のみであるため、
最終的な効果としては持分全てを贈与した場合と同様になるものと考えております。
各課税関係を確認しましたところ、
〇贈与税→持分放棄であればみなし贈与として課税、
贈与であれば当然課税となり、結果としてどちらの方法でも
相続税評価額により課税対象
〇所得税→どちらの方法であっても課税されない
〇登録免許税・不動産取得税→どちらの方法によっても課税対象
と、課税関係に基本的には大きな違いはないようです。
ただし将来的にこの不動産を売却した際の不動産の取得費として、
贈与の際は、もともとの取得費を引き継ぐのに対し、
持分の放棄の場合はみなし贈与について取得費・取得時期を引き継ぐという
規定がないために、「持分を放棄した時点の時価」が、
譲渡所得税の取得費となるものと理解しております。
上記が正しいとすれば、もし時価が当初取得時よりも上昇している
(かつ、短期譲渡となる期間内に譲渡の予定がない)のであれば、
持分の放棄をする方が将来的な譲渡所得税の負担を軽減できるのではないかと思いますが、
上記のような考えでよろしいでしょうか。
またそれ以外に持分の放棄と贈与による課税関係の違いは何か考えられますでしょうか。
ご存じの範囲でご教示いただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
【参考条文・通達・URL等】
民法第255条
相続税法基本通達9-12
所得税法第9条1項17号
所得税法第60条1項1号
不動産の共有持分を「贈与」した場合と「持分を放棄」した場合の違いについて
https://www.hikari-tax.com/column/inheritance/3965.html
共有持分の贈与と放棄の相違
http://wakabayashi.zei-mu.net/img/column4.pdf
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