税務相互相談会の皆さん
下記について教えて下さい。
【税 目】
所得税<申告所得税・源泉所得税>(山形富夫税理士),相続税・贈与含む(井上幹康税理士)
【対象顧客】
個人
【前 提】
相続開始日は今年2月、相続人は1人(姉)、
ただし下記の通り遺言を残しているため、取得する財産はなし。
自筆遺言(裁判所検認済)があり、概ね以下のような内容。
財産目録:①A銀行にあるすべての株式・預金、
②B銀行にあるすべての株式・預金、③自宅マンション
財産目録のうち①を国連、②を〇〇県、③を△△市、
その他の財産すべてを△△市に遺贈する。
遺言執行者はX司法書士とする。
遺言では国連や県・市などの自治体にすべて寄付する内容となっており、
今回は遺言執行者であるX司法書士からの依頼で相続税申告業務を受任しております。
措置法第70条第1項(国等に対して相続財産を贈与した場合の相続税の非課税等)が適用できると考え、
寄付金受領証明書を添付して非課税での申告を予定しております。
国連や〇〇県は遺言執行者が株式を換価してからでないと寄付を受け取れず、
△△市も遺言執行者自宅マンションを売却してからでないと寄付を受け取れないとのことです。
【質 問】
1.換価してから遺贈することについて特例適用があるか
各団体への寄付について、現金で遺贈する分については問題ないかと思いますが、
株式や不動産を換価してから遺贈することについても、
当該特例(国等に対して相続財産を贈与した場合の相続税の非課税等)は
適用できるかどうかご教示ください。
2.換価した場合の譲渡所得税と、しなかった場合のみなし譲渡所得税について
株式や不動産を売却した際に譲渡益が出た場合、
譲渡所得の申告は被相続人の準確定申告となりますでしょうか。
すでに死後4カ月以上経っており、売却の目途がたっていない
(不動産は換価せず寄付させてもらえるよう交渉中)ため
期限後申告となりますが、申告する主体は相続人で間違いないか、ご教示ください。
また、換価しなかった場合も、時価を算定したうえで
みなし譲渡所得課税の準確定申告を相続人が実施する必要があるのでしょうか。
今回唯一の相続人である姉は、相続に最初から関わりがなく
(遺言を見て何も取得できないことが分かったため)、
相続人が準確定申告・納税を実施(実質は税理士ですが)することに
心理的抵抗があり、説得の必要がありそうです。
3.報酬の受取方について
遺言執行者によると、今回の相続税申告報酬や司法書士報酬を、
遺贈する財産から差引く形で受け取る予定とのことですが、
法的なリスクなどがあればご教示ください。
4.相続税申告期限までに寄付が完了しない場合
そもそも換価や寄付が申告期限までにすべては完了しない可能性が高いため、
一部の寄付は申告期限後になりそうです。
その場合、非課税となるのは申告期限までに寄付が完了し、
寄付金受領証明書を添付資料として申告できた分だけに限定され、
期限後の寄付に関しては相続税が発生する、という理解でよろしいでしょうか。
5.その他、今回の案件について他にも見落としている
論点・リスクなどあればご教示ください。
【参考条文・通達・URL等】
措置法第70条第1項、所得税法59条第1項