[soudan 07664] 畝により分断されている市街地農地の評価方法(評価単位、地積規模の大きな宅地の適用)
2023年5月15日

税務相互相談会の皆さん



下記について教えて下さい。

【税  目】

相続税・贈与含む(木下勇人税理士)

【対象顧客】

個人

【前  提】

・評価対象の土地は3大都市圏にある市街地農地であり、区域は普通住宅地区であり、添付の図のイメージのものである。
・容積率は400%以下などの地積規模の大きな宅地の適用の用件は満たしている。
・利用状況としては全体を畑で利用している。
・畑と畑の間に畝があり、この畝については所有者が納税者ではなく市が所有者である。そのため、添付の図の通り、畑が3つに分断されているイメージである。
・畝は実質的に納税者が20年以上利用し続けているものである。
・緑色でハイライトしている一番下の畝については、Bがメインで利用しているようであるが、納税者Aも利用はしている。
・当該畝は市から払い下げ可能なものであり、取得する際の単価は@100千円を前提とする。
・実際に払い下げにより取得する予定はなし

【質  問】

・当該土地の評価方法についてお教え願います(評価単位のとり方、地積規模の大きな宅地の適用の可否について)。
※各畑を別々として評価し合算する方法。畝も含めたて一体評価してから畝の部分を全体額から控除する等が考えられると思いますが
※全体評価の場合には、一番下の畝(緑色にハイライトした箇所)も含めて一体評価を行うのか(本件の場合、一番下の畝を含めることにより規模格差補正率が下がります)?及び一体評価した後に畝部分の控除方法はどうするか?について適切な方法をお教え頂ければと思います。

【参考条文・通達・URL等】

〈弊所の見解〉
(結論)
弊所としては下記の方法で評価を行うべきと考えております。
①まず、一番下の畝も含めて全体評価を行うべきである(3,080㎡で評価)。そのため、地積規模の大きな土地の補正率の適用及び造成費用等の控除も行う
②①で全体評価した金額から、畝部分の300㎡の控除については、市の管財課に払い下げ金額を確認して控除を行う。

具体的な算式は下記の通り

①規模格差補正率、全体評価額
 ・規模格差補正率は(3,080㎡×0.85+225)÷3,080㎡✕0.8=0.73
 ・3,080㎡×200千円×0.73=449,680千円(@146千円)
※本来であれば上記の単価に造成費用を加味して計算するが省略
※奥行き補正等の他の補正は省略
②納税者Aの所有部分の評価
 ・449,680千円-(100千円×300㎡)=419,680千円(@150.96千円)
※実際に当該畝を取得する予定はないため、払い下げ金額には実際に取得する際には生じる「測量代、登記費用、不動産取得税」等の見積計上額は含めることはできない(実際に取得する際は実費費用を含めることができる?)
※上記計算の場合は、払い下げ価格の単価が、全体評価の単価より低いため、面積按分で控除するよりも納税者は不利となる(上記は造成費等の考慮前ですが、一般的に払い下げ金額は安いのが多いかと思っております)


(理由)
・畝により土地が分断されているが、畝も実質的に納税者Aが長期間使用している状況であり、里道で分断された土地の評価と同じような考え方により畝部分を含めて全体評価を行うのが適当かと思われる。
・なお、一番下の畝について含めるかどうかについては、当該畝については基本的にはBが利用しているが、納税者Aも利用をしていないわけではない。また、畝については上の土地(畑)を守る目的もあり、市が払い下げを行うのは基本的に上の土地の所有者に対してであったかと思われることから、畝を含めた全体評価を行うのに際しては一番下の畝を含めるべきかと思われる。
※「畝が上の土地を守るためにもあり〜」については、15年ほど前に同様の論点で市の管財課に確認した時に言われた記憶があるのですが、現在の認識と異なるかもしれません。
・全体評価から畝部分を控除する場合、払い下げ価格を控除する、面積按分で控除する等の方法があると思うが、里道の評価方法と同様に払い下げ価格を控除するほうがより適切かと思われる。払い下げ価格は市の管財課に確認すれば金額を知ることが可能であり、実際に買取を行う際は当該金額により取引が行われるため。

【添付資料】

https://kachiel.jp/sharefile/ml/230515_1_58584.png



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