[soudan 08882] 建物の解体費等の仕入税額控除について
2025年2月19日

税務相互相談会の皆さん

下記について教えて下さい。

【税  目】

消費税(金井恵美子税理士)

【対象顧客】

個人

【前  提】

・個人甲はA社(甲が代表取締役)に自己の不動産X(建物及びその敷地)を
 事務所として賃貸していた。
・不動産Xは甲及び乙と2分の1ずつ共有になっていた。
・不動産Xの建物は老朽化しており、A社からの要望により建替えを行うことになった。
・建替えに際して次の取引が発生した。
(a)甲は乙より土地の共有持分2分の1について買取りを行う
(b)建物の解体費は甲が全額負担し解体を行う(共有土地の取得時の条件)
(c)新築建物はA社が事務所として賃借する。
(d)解体~完成まではおよそ1年超要する(2024年中~2025年中)。
この期間、甲としてはその期間賃料収入が得られないが、
A社からの建替え要望に基づき建て替えを行うものであるため
地代収入見合いの賃料を収入することとして、A社から甲に対して
賃料補償の名目で支払いを行っている。
(2024年6月以降賃料収入としての収受あり)

このような状況で2024年の年末を迎えた。
甲はインボイス登録を行い、2023年10月以降消費税を納税している。
2024年分についても消費税の課税事業者であるため申告を行う。
2024年は還付申告になる見込み。

【前提】
2024年の甲の消費税に係る取引は下記(1)~(4)の通り。
(1)事務所、駐車場の賃料として年間500万円程度
(2)上記の地代収入見合いの収入年間180万円程度
(3)建物の取壊費用 1300万円程度
(4)建物の建築に関わるコンサルティング、設計費などの支払い19,000万円程度

【質  問】

この場合仕入税額控除等の考え方について以下3点ご教示いただけますと幸いです。

【質問】
1.(2)については、賃料補償的な性格があるものの、
  その性格は地代であるため、非課税売上として認識すべきでしょうか。

2.1.で非課税売上を前提とする場合、(1)、(2)に基づき
  課税売上割合が95%を下回ります。
  個別対応方式で仕入税額控除の計算を行いますが、
  (3)の取壊し費用に関して、
  甲としては明確に建物を建てるために取壊しを行いましたので
  事務所用建物を取得するために要した費用として、
  課税売上に対応する課税仕入として差し支えないでしょうか。

  あるいは(2)で一定期間非課税売上が生じたことに基因して、
  共通対応の課税仕入とすべきでしょうか。

3.(4)に関しては、2.の取壊費用の取り扱いに関わらず、
  課税売上に対応する課税仕入として差し支えないでしょうか。

  また、仕入税額控除の時期について、
  建設仮勘定に集計した設計料と建築代金を完成時の仕入税額控除とすべきでしょうか。

  2024年末において、建物は完成していない状況です。
  設計業者と建築業者は別の業者で、
  設計については基本設計、実施設計、監理業務から構成されています。
  2024年末では実施設計まで完了し、請求と支払いを終えています。
  建築については契約時、中間時、引渡時3回に分けて代金を支払います。
  2024年末では中間時の支払いまで終えています。
  ここで、設計に関しては請求の都度消費税の請求が行われ、
  建築に関しては消費税の請求が行われていません(単なる中間金という扱い)。

  この場合、基本通達11-3-6の取り扱いにより、設計料、建築代金
  ともに、完成引き渡し時に仕入税額控除を受けるという取り扱いを
  してよろしいでしょうか。

  あるいは、設計料については、2024年中に
  仕入税額控除を受けることができますでしょうか。

以上、ご教示いただけますと幸いです。よろしくお願いいたします。

【参考条文・通達・URL等】

No.6261 建物賃貸借契約の違約金など
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6261.htm
消法4、6、消法別表第2十三、消基通5-2-5

個別対応方式による仕入税額控除
No.6401 仕入控除税額の計算方法
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6401.htm

No.6483 建設仮勘定の仕入税額控除の時期
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6261.htm
消法30、消基通11-3-1、11-3-6 



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