税務相互相談会の皆さん
下記について教えて下さい。
【税 目】
消費税(金井恵美子税理士)
【対象顧客】
個人
【前 提】
① クリニックを開業している医師であるAは、
車両をクリニックの資産として 事業専用割合80%でクリニックの資産に計上し、
事業所得の申告を行ってきた。
このたび、新しく車両を購入し、クリニックの資産としたため、
従来クリニック の資産として計上していた旧車両を、
クリニックの資産からはずし、100%家事用に使用することになった。
現在、旧車両は、その医師の生計を一にする子が車両の名義を変えず、
その医師の名義のまま無償で使用している。
この場合、旧車両を100%家事用にした時の、
その車両の時価の事業専用割合80 %をみなし譲渡として、
課税売上としなければならないか。
また、この場合、その医師Aがその車両を事業に供したときに、
免税事業者や課税事業者で簡易課税を選択していた場合も
(すなわち車両の購入価額が直接課税仕入れとなっていない)、
事業専用割合80%の車両を100%家事用にした場合には、
車両を100%家事用にした時点で、みなし譲渡として
その車両の時価の80% が課税売上になるのか。
②一方、クリニックを開業している医師であるBは、
新しく自宅を建て、現在 、新居に住んでいるために、
旧自宅(木造 新築後30年経過)を第三者に居住用として
7年ほど賃貸しており、医業の事業所得と、旧自宅の賃貸の不動産所得の申告をしていた。
今回、その入居者が退去したので、その旧自宅に
生計を別にする子と子の妻を、使用貸借にて 住まわせることとした。
この場合も、消費税法のみなし譲渡となるのか。
③現在、クリニックを開業している医師であるCは、
個人事業者になる前は、 給与所得者であった。
現在より20年ほど前の給与所得者の時に、
Cは節税及び投資用にマンションを二室所有し、
現在まで不動産所得の申告をしていた。
マンションを購入したときには、消費税の免税事業者であった。
現在、このマンションの二室は賃貸用として所有しているが、
ここ数年入居者がいないため、2室とも使用貸借で
生計を一にする子に居住用として使用させようと思っているが、
この場合には、このマンション2室の時価が消費税法上のみなし譲渡となるのか。
【質 問】
(当方の見解)
消費税のみなし譲渡の規定は、個人事業を行っていた者が、
個人事業を行っていた時に課税仕入れとした資産を、
個人事業廃業後、譲渡した場合に、事業者でもなく、
事業として譲渡したわけでもないがゆえに、課税売上とならないので、
廃業時にみなし譲渡として、課税売上を認識する規定であることを考えると、
①の事案の場合では、その車両を購入したときに
医師Aが免税事業者や簡易課税を選択している課税事業者であった場合には、
80%事業用資産から100%家事用資産にした場合には、
旧車両購入時に課税仕入れをしていないために、
みなし譲渡とはならないのではないかと思います。
一方、医師Aが旧車両を購入したときに、消費税の課税事業者で、
原則課税でその車両に関して課税仕入れをしている場合には、
その車両を家事用にした場合には、その車両の時価の80%がみなし譲渡となると思います。
②の事案の場合には、そもそも医師Bの自宅であったものを、
第三者に賃貸していたものであり、その旧自宅について購入時点で、
課税仕入れとしているわけでもなく、第三者に賃貸していた旧自宅に、
医師Bの生計を別にする子及びその妻に使用貸借で住まわせても、
消費税法上のみなし譲渡にはならないのではないと思います。
また、この場合は、生計を別にする子及びその妻に使用貸借で
住まわせるのですから、消費税基本通達5-3-1から家事消費とは
言えないことからも、みなし譲渡にはならないと思います。
③の事案の場合にも、賃貸マンション2室を購入したときには、
給与所得者であり、消費税の免税事業者であったのであり、
その賃貸マンション2室に関しては 課税仕入れを行っていません。
よって、この賃貸マンション2室を使用貸借で生計を一にする子に
居住用として使用させることとなった場合でも、消費税法上の
みなし譲渡にはならないのではないかと思います。
一方、マンション2室を購入したときに、課税事業者を選択し、
課税仕入れを行っていれば、この賃貸マンション2室を使用貸借で
子に居住用として使用させることとなった場合、
消費税法上のみなし譲渡となるのではないかと思います。
以上の点につき、ご教授願います。
【参考条文・通達・URL等】
消費税法第4条第5項第1号
消費税基本通達5-3-1,5-3-2
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