税務相互相談会の皆さん
下記について教えて下さい。
【税 目】
法人税(中川輝美税理士)
【対象顧客】
法人
【前 提】
・司法書士法人の売掛金(大半が登記に関する報酬)
・継続的な取引先もあるが、大半は単発の取引先である。
・利益操作の意図はないが、今期に貸倒処理できるのであれば、
長期滞留債権の貸倒処理(継続的取引要件以外については、
法基通9-6-3の要件は満たしている)をしたいとの意向あり。
・貸倒れの対象となる債権額の合計額は約460万円(82件、
最小値は約2000円、最大値は約38万円、中央値は約3.2万円)。
・日々の取引が大量にあるため、督促などは行っていない。
【質 問】
① 法基通9-6-3((1)又は(2))の適用を考えておりますが、
同通達の注意書きにより、継続的な取引先以外は、本通達の
適用はできないのでしょうか?私見ですが、本通達は大量に
反復して発生する取引を前提としているようですので、
単発の取引先であっても、内容が類似する取引(本件では、
登記に関する売掛金)が大量に発生するような場合は、
可能な気がいたしております。
② ①の適用ができる場合、今後社内ルールを設け、
その通り運用することを前提として、現在長期に滞留している
売掛債権を当期に備忘価額1円を残して貸倒処理することは可能でしょうか?
上記①の処理ができない場合、法基通9-6-1(4)又は
法基通9-6-2の適用が考えられると思います。
③ 法基通9-6-1(4)を適用する場合、売掛先に対して
督促をせずに、書面による債務免除通知を行っても、
寄附金認定される可能性が強いと思われます。
まずは、督促通知を行うべきでしょうか。それとも、
両者の合意があり、相手方で債務免除益の計上がなされる
状態であれば、債務免除通知を行った年度での損金算入は
可能でしょうか?何度か督促通知を行い、更に債務免除通知を
内容証明郵便で行うとなると、その取立費用等の方が売掛債権を
上回る先もございますので、後者の処理も可能な気はしております。
④ 法基通9-6-2については、全額回収不能について、納税者に
挙証責任があるため、本通達の適用は相当難しいと思っております。
2000円程度の売掛債権しかない先については、債権額と取立費用との
比較衡量で実質貸倒れと主張することは可能かとは思いますが、
損金算入の時期で否認される気がしております。従って、
法基通9-6-2による貸倒処理は実質不可能と考えて良いでしょうか。
以上について、先生のご見解をお聞かせください。
【参考条文・通達・URL等】
法基通9-6-1(4)
法基通9-6-2
法基通9-6-3
国税庁 第三者に対して債務免除を行った場合の貸倒れ
「…第三者に対して債務免除を行う場合には、金銭債権の回収可能性を充分に検討した上で、
やむなく債務免除を行うというのが一般的かと思われますので、一般には同通達の取扱いにより貸倒れとして損金の額に算入されます。
(注) 第三者に対して債務免除を行う場合であっても、同通達に掲げる場合と異なり、金銭債権の弁済を受けることができるにもかかわらず、
債務免除を行い、債務者に対して実質的な利益供与を図ったと認められるような場合には、
その免除額は税務上貸倒損失には当たらないことになります。…」
六訂版法人税基本通達逐条解説 税務研究会出版局917~919頁(法基通9-6-2の解説)
「(4)次に、回収不能債権の帳簿貸倒処理の時期であるが、回収不能が明確になった限りにおいては、
直ちに貸倒処理を行うというのが会社法ないしは企業会計上の考え方であり(会社計算規則5④)、
いやしくもこれを利益操作に利用するようなことは公正妥当な会計処理とは認められないというべきである。
そこで、本通達において、この場合の貸倒処理は、「回収できないことが明らかになった事業年度において」行うべきものであることが明らかにされている。」
四訂版法人税法の考え方・読み方
渡辺淑夫・山本守之共著 税務経理協会 299頁(法基通9-6-3の解説)
「売掛債権のように大量回帰的に生ずる金銭債権の貸倒れの実態というものを踏まえて,
執行上いわば便宜的に一定の基準で償却を認めるものですから,基本通達9-6-2と9-6-3とは,
そういった意味で貸倒れの認定の面できびしさが違うという事情があります。」
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