[soudan 05842] 士業が加入する協同組合から無償で書籍を譲り受けた場合の税務処理について
2024年9月25日

税務相互相談会の皆さん

下記について教えて下さい。


【税  目】


所得税(山形富夫税理士),消費税(金井恵美子税理士)


【対象顧客】


個人


【前  提】


・ある士業の個人事業主(青色申告者、適格請求書発行事業者)です。

・特定の士業が加入する協同組合から、無償で

 書籍等(購入市場の時価にして10万円未満で、消費税の非課税となるものはありません)

 を譲り受けました

・無償で譲り受けたため、会計処理は失念しておりました。

・上記書籍等のうち、一部の書籍をネット買取業者へ売却する予定です。


【質  問】


上記前提において、下記の通りの税務処理で間違いないでしょうか。

先生のご見解をお聞かせください。


(1)書籍等を無償で譲り受けたときの税務処理について

① 所得税

法人からの贈与だが、事業の取引先からの

金品の贈与(「業務に関して受けるもの」)であるため、一時所得に該当せず、

事業所得の収入金額(購入市場の時価で評価)となるとともに、

取得価額が10万円未満の事業用の減価償却資産であるため、

同額が必要経費として算入される。


② 消費税

対価性がないため、資産の譲渡等にも課税仕入れにも

該当しない(課税対象外取引となる)


(2)書籍を売却するときの税務処理について

①所得税

減価償却資産(工具、器具及び備品)の譲渡であるが、

取得価額(=書籍の無償提供を受けたときの購入市場の時価)が10万円未満であり、

かつ、「その者の業務の性質上基本的に重要なもの」に該当するとはいえないため、

事業所得(の収入金額)として処理する。


②消費税

事業用書籍の譲渡であるため、買取業者から予め登録番号の提供を求められれば、

番号を提供し(買取業者が作成する仕入明細書をインボイスとする予定)、

課税資産の譲渡等として処理する。


【参考条文・通達・URL等】


(一時所得)

所法34、所基通34-1(一時所得の例示)(5)


(事業所得)

所法27①、所令63(事業の範囲)、所法37①(必要経費)、所令138(少額の減価償却資産の取得価額の必要経費算入)、所基通27-5(事業の遂行に付随して生じた収入)※

※ 上記取引に該当するものは見当たりませんでした。


(譲渡所得)

所法33②一(譲渡所得に含まれないもの)

所令81二(譲渡所得の基因とされない棚卸資産に準ずる資産)、138

所基通33-1の2(少額重要資産の範囲)


令和5年版図解所得税 大蔵財務協会

188頁(所得区分判定フローチャート)、

340頁(「誤りの多い事例 ~略~事業の取引先からの金品の贈与(事業所得となる。)~略~」)


(消費税)

消法4①(課税の対象)、2八(資産の譲渡等の定義)、2九(課税資産の譲渡等の定義)、

2十二(課税仕入れの定義)、30①(仕入税額控除)、

インボイスQA問86(仕入明細書の相手方への確認)、87(仕入明細書等の記載事項)