[soudan 05551] 後継者が二人の場合の事業承継税制の筆頭議決権要件
2024年9月10日

税務相互相談会の皆さん

下記について教えて下さい。

【税  目】

相続税・贈与含む(井上幹康税理士)

【対象顧客】

個人

【前  提】

・甲社は代表取締役A氏(B氏の兄)、代表取締役B氏(A氏の弟)の二人代表。
・甲社の株主構成
  A氏 35%
  B氏 34%
  C氏 3%
  D氏(B氏の子) 5%
  その他 23%
・甲社は、A氏を先代経営者とし、C氏(A氏の子)を後継者として特例承継計画を提出済み。
・A氏は2023年に相続が発生し、C氏が全株を相続して
 相続税の納税猶予の特例(措法70の7の6)の適用を受けている。
・事業承継税制について、先代経営者及び後継者の筆頭議決権要件以外の
 要件はすべて満たしている。

【質  問】

B氏が甲社株式4%をその他株主から買い集めて38%となり、
B氏とC氏が同数で筆頭議決権となりました。

質問①
この場合に、B氏は2026年3月末までに「B氏を先代経営者、D氏を後継者」
として特例承継計画を提出することができ、さらに、2027年12月末までに
D氏に甲社株式を贈与した場合、贈与税の納税猶予の特例(措法70の7の5)
の適用を受けることができると考えますが問題ないでしょうか?
(C氏は引き続き相続税の納税猶予の特例を受けられる前提。
つまり、38%のC氏と39%のD氏の二人が後継者として納税猶予の
特例措置を受ける。特例措置で先代経営者二人が認められるか?)

質問②
2027年12月末までにB氏が甲社株式を贈与することが難しい場合、
B氏からD氏への承継では一般措置(措法70の7)しか受けられなくなります。
一般措置では後継者は一人しか認められない前提ですが、
2030年以降(=C氏の納税猶予に係る特例経営承継期間経過後)、
B氏からD氏に甲社株式35%を贈与し、D氏は贈与税の納税猶予
(措法70の7)の適用を受けることができると考えますが問題ないでしょうか?
(C氏は引き続き相続税の納税猶予の特例を受けられる前提。
つまり、38%のC氏は納税猶予の特例措置を受け、39%のD氏は
一般措置を受ける。実質的に後継者二人が認められるか?)

【参考条文・通達・URL等】

質問①関連
・非上場株式等についての贈与税・相続税の納税猶予及び免除の
 特例措置等に関する質疑応答事例について(情報)
(問15)「贈与税の納税猶予の特例措置」の適用を受けるための期間
https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sozoku/181219/pdf/01.pdf
→問15の③で乙からBへの贈与が平成39年12月末までに贈与すれば
 良いことになっている。つまり、甲と乙が先代経営者として認められるはず。
・経営承継円滑化法施行規則16
→特例承継計画について、例えば「すでに確認を受けた中小企業者を除く」
 などとされていない。つまり、一社につき複数の特例承継計画も認められるはず。
・措法70の7の5①、措令40の8の5①
→贈与者について、既にこの規定の適用に係る贈与をしている贈与者は
 除かれるが、異なる後継者への贈与であれば除外されていない。
・措法70の7の6③(措法70の7の2③四の読替え)
→特例経営承継期間内の取消事由のうち、後継者の筆頭議決権要件について、
 「措法70の7の5の適用を受ける特例経営承継受贈者を除く」とされ、
 他の特例措置を受ける後継者が筆頭議決権となっても取消事由に該当しないはず。

質問②関連
・措法70の7②三
→一般措置の後継者は「この規定(一般措置)の適用に係る贈与により
 株式を取得した個人(二人以上ある場合は会社が定めた一人に限る)」
 とされているものの、特例措置の適用を受ける後継者は含まれていない。
 つまり、一般措置の適用を受ける後継者と特例措置の適用を受ける
 後継者は併存できるはず。
・措法70の7の6③(措法70の7の2⑤の読替え)
→特例経営承継期間経過後は、後継者は筆頭議決権を求められていない。
 つまり、一般措置の適用を受ける後継者が筆頭議決権になっても、
 特例措置の適用を受ける後継者は取消事由に該当しないはず。



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