[soudan 04725] 2社の代表取締役の退職金
2024年7月22日

税務相互相談会の皆さん


下記について教えて下さい。


【税  目】


法人税(鎌塚祟文税理士),所得税(山形富夫税理士)


【対象顧客】


法人


【前  提】


 A社、B社の代表取締役甲が、取締役乙(甲の子)への事業承継を

すすめるにあたり、甲の役員退任に伴う役員退職金についての質問です。


《会社情報》

・A社(B社の子会社):人材派遣業(12月決算)、従業員200名、

・B社(A社の親会社):機械設計業(7月決算)、従業員100名、

 (注)A社、B社はそれぞれ別の売上先で、両社間の下請業務はなし。


《甲の役員退任の予定》

・A社:令和6年12月に代表取締役・取締役を退任し会長になる。

 乙が代表取締役に就任。

・B社:令和7年12月に代表取締役を退任し代表権のない(平)取締役に留まり、

 乙が代表取締役に就任。甲は5年後の令和13年3年に(平)取締役を退任予定。

 理由:円滑な事業承継を行うために、親会社B社の取締役として5年程度留まり、

 いざという時にサポートできるようにする。

 また、B社は令和7年に特例事業承継税制の贈与税の納税猶予を受ける予定で、

 同制度の適用上重要な『特例経営贈与承継期間(5年)』を経過するまで、

 取締役に留まった方がよいと考えるため、令和13年3月に取締役を退任する。


《A社の退職金の支給》

令和6年12月にA社の代表取締役・取締役を退任し会長になり、退職金を支給。

〇A社における甲の勤務関係

  使用人時代:昭和45年 4月1日~昭和62年8月31日 (勤続年数17年5か月)

    役員時代 :昭和62年9月 1日~令和6年12月10日 (勤続年数37年3か月)

〇過去における退職給与の支給状況

  使用人から役員に昇格する際に、使用人退職金の支給なし。

〇退職給与の支給

  令和6年12月、甲がA社の代表取締役・取締役退任し会長なった時に、

  次の計算で退職金を支給する予定です。

   退職金の額=退任時の役員報酬×役員の就任期間(37年3か月)×功績倍率


《B社の退職金の支給》

令和7年12月に代表取締役は退任するが、代表権のない(平)取締役に留まり、

5年後の令和13年3年に取締役を退任する予定。

〇B社における甲の勤務関係

  役員期間のみ :昭和62年9月 1日~令和13年3月31日(勤続年数43年7か月)

〇退職給与の支給

令和13年3月、甲がB社の(平)取締役を退任した時に、次の計算で

退職金を支給する予定ですが、

   退職金の額=退任時の役員報酬×役員の就任期間(43年7か月)×功績倍率

令和7年12月、甲がB社の代表取締役の退任し(平)取締役に就任した時に、

次の計算で退職金を支給することも検討しています。

 退職金の額=退任時の役員報酬×役員の就任期間(38年3か月)×功績倍率


【質  問】


【質問1】

A社の退職金に係る退職所得控除額の計算に際し、勤続年数を

使用人時代も含めた54年8か月(昭和45年4月1日~平成28年5月31日)で

計算することはできますか。


【質問2】

令和13年3月、甲がB社の(平)取締役を退任した時に退職金を支払った場合、

支払時(令和13年7月期)にB社の損金に算入して問題ないでしょうか。


【質問3】

令和13年3月、甲がB社の(平)取締役を退任した時に退職金を支払った場合、

当該退職金に係る退職所得控除額の計算は、A社での退職金の支給が

令和6年12月のため、「前年以前4年以内に退職金を受けている場合」に

該当せず、B社での勤続年数44年(※)で退職所得控除額を計算できますか。

(※)昭和62年9月 1日~令和13年3月31日 43年7か月


【質問4】

A社、B社が次のとおり退職金を支払したときの源泉所得税等の計算は、

特定役員退職手当等や短期退職手当等に該当せず、

下記の源泉所得税等の金額でよろしいですか。

・A社が、令和6年12月に退職金の20,000万円支給

・B社が、令和13年3月に退職金の10,000万円支給

《A社の退職金の源泉所得税額の計算》

 勤続年数55年で退職所得控除額3,250万円となり、

 課税退職所得は、(20,000万円-3,250万円)×1/2=8,375万円

 源泉所得税等は、(8,375万円×45%-479.6万円)×102.1%=3,358.22万円

《B社の退職金の源泉所得税額の計算》

 勤続年数44年(※)で退職所得控除額2,480万円となり、

(※)昭和62年9月 1日~令和13年3月31日 43年7か月

 課税退職所得は、(10,000万円-2,480万円)×1/2=3,760万円

 源泉所得税等は、(3,760万円×40%-279.6万円)×102.1%=1,250.12万円


【質問5】

B社が代表取締役退任時の令和7年12月に退職金を支払した場合で、

A社、B社が次のとおり退職金を支払したときの源泉所得税等の計算は、

特定役員退職手当等や短期退職手当等に該当せず、下記の源泉所得税等の

金額でよろしいですか。

・A社が、令和6年12月に退職金の20,000万円支給

・B社が、令和7年12月に退職金の10,000万円支給

《A社の退職金の源泉所得税額の計算》

 質問4と同じ

《B社の退職金の源泉所得税額の計算》

 勤続年数(※1)から重複期間(※2)を除いて、退職所得控除額70万円となり、

 課税退職所得は、(10,000万円-70万円)×1/2=4,965万円

 源泉所得税等は、(4,965万円×45%-479.6万円)×102.1%=1,791.49万円

(※1)B社の勤続年数は38年3か月(昭和62年9月 1日~令和7年12月10日)

(※2)A社との重複期間は37年3か月(昭和62年9月 1日~令和6年12月10日)

     B社の退職所得控除額70万円(2,130万円-重複部分2,060万円)


【参考条文・通達・URL等】


なし



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