[soudan 03396] 個人事業主に対する「実質所得者課税の原則」の適用につきまして
2024年4月23日

税務相互相談会の皆さん


下記について教えて下さい。

【税  目】

所得税(山形富夫税理士)

【対象顧客】

個人

【前  提】

1.事業者について
個人事業主A(年齢は70代で、現在の肩書は「代表」)は、
長年大規模農場を営んでいますが、高齢になったことなどもあり、
同農場で働いている息子B(年齢は40代で、現在の肩書は組織の
ナンバー2であることを示す「マネージャー」)に代表権を
譲ることを検討しています。
なお、BはAと生計を一にしてはおりません。

2.代表権の委譲について
個人事業主が他の者に経営権を譲り渡す場合、
通常は事業譲渡や贈与により事業承継を行うかと思いますが、
同農場は非常に規模が大きく、事業承継を行うには相当の時間がかかることから、
ひとまず資産・負債の名義はすべてAのまま、
代表という肩書を息子Bに譲りたいようです。

具体的には、
「来年から息子の肩書を『代表』とし、
自身は『相談役』など別の肩書にしようと思っている」という発言がありました。

【質  問】

Aは、実際に事業承継を行うわけではなく、
事業に係る資産・負債あるいは契約などの名義をすべてAのままとし、
代表という肩書のみをBに譲ることを希望していますが、
もし実現した場合、「実質所得者課税の原則」が適用され、
「Aの名で行う事業に係る収益・費用であっても、Bが申告義務を負う」
ということになりますでしょうか?

検討を行う際は、
所得税基本通達12-1~5(法第12条《実質所得者課税の原則》関係)の
「12-2」及び(「生計を一にしている」という前提には該当しないものの)
「12-5」が拠り所になるものと考えておりますが、
「12-2」の「事業から生ずる収益を享受する者がだれであるかは、
その事業を経営していると認められる者がだれであるかにより判定するものとする。」
の意味合いを考えますと、肩書などの形式だけではなく、
その実態(経営における意思決定権が誰にあるかなど)が重要になるような気がいたします。

具体的なケースを想定しますと、
例えば、下記の①のような場合は、「事業を経営していると認められる者」は
当然にBとなるのではないかと考えておりますが、
②や本件のような③の場合はどのように判断すべきか悩んでおります。

①Bが同農場の「代表」などの肩書を名乗り、意思決定の権限も有している

②Bの肩書は引き続き「マネージャー」のままだが、
 意思決定の権限を有している(AはBに経営を委任している)

③Bが同農場の「代表」などの肩書を名乗るものの、
 経営の意思決定は引き続きAが行っている

個人事業主が事業承継以外の方法で代表権を譲り渡すという事例が
見当たらなかったため、ご相談をさせていただいた次第でございます。

大変恐れ入りますが、ご教示のほど何卒よろしくお願い申し上げます。

【参考条文・通達・URL等】

①法第12条《実質所得者課税の原則》関係
https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/shotoku/03/01.htm

②所得税の実質所得者課税の原則について
https://www.tokyozeirishikai.or.jp/common/pdf/tax_accuntant/bulletin/2022/sep_03.pdf



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