[soudan 02052] 損金経理要件のない費用の別表減算による損金算入
2024年2月09日

税務相互相談会皆さん
下記について教えて下さい。

【税  目】

法人税(鎌塚祟文税理士)

【対象顧客】

法人

【前  提】

不動産賃貸業を営む法人が賃貸事業用に中古不動産を購入して、固定資産とした。
同日、そ法人が登録免許税を払った。後日、当期中に不動産取得税も払った。

【質  問】

1)登録免許税と不動産取得税に損金経理要件
  定めがないことを理由に、
  「会計においては登録免許税と不動産取得税を仮払(税)金として
   資産計上して決算すると同時に、法人税申告書別表4で登録免許税
   不動産取得税を損金容認として減算して、損金にする形確定申告を行う」、
  という処理は法人税法上、認められますか。
  理由とともに教えて下さい。

2)仮に74条等を理由に認められないとすれば、
  法人税法にて損金経理要件を定めている意味
  (74条とは別になぜ損金経理要件が定められているか)
  をどように捉えればよろしいでしょうか。

【参考条文・通達・URL等】

関連通達:
7-3-32 次に掲げるような費用額は、
たとえ固定資産取得に関連して支出するもであっても、
これを固定資産取得価額に算入ないことができる。

(1)次に掲げるような租税公課等
 イ 不動産取得税又は自動車取得税
 ロ 特別土地保有税うち土地取得に対して課されるも
 ハ 新増設に係る事業所税
 ニ 登録免許税そ他登記又は登録ために要する費用

(2)建物建設等ために行った調査、測量、設計、
  基礎工事等でそ建設計画を変更したことにより不要となったもに係る費用

(3)一旦締結した固定資産取得に関する契約を解除して
  他固定資産を取得することとした場合に支出する違約金

関連逐条解説:
「本通達においては、固定資産取得に関連して支出する費用であっても
  そ取得価額に算入するかどうかを法人選択に任せることとする費用が例示されている」
「本通達(1)租税公課等は、いずれも固定資産取得に関連して納付するもであるから、
取得価額に算入しなければならないではないかという考え方があり得よう。しかしながら、
もともとこれら租税公課等は一種事後費用であるうえ、
性格も流通税的なもないしは第三者対抗要件を具備するため費用であって、
必ずしも固定資産取得原価そとはいいきれない面がある。そこで、
これら租税公課等を取得価額に算入するかどうかは法人判断に任せることとされている」

裁判例:
類似裁判例は見受けられないが、確定決算基準について東京高裁判示が次通りなされている。

課税庁主張中に「法人意思を最終的に確認する手段として,
損金経理(法人税法2条26号)を前提にして損金算入が認められ」とあり、
損金経理要件定めがない取引について言及はなく、
裁判所もそこまで判断はしていないと思われる。

【文献種別】  判決/東京地方裁判所(第一審)
【裁判年月日】 平成26年 3月18日
【事件番号】  平成24年(行ウ)第844号
【事件名】   法人税更正処分等取消請求事件
【審級関係】  控訴審 東京高等裁判所 平成26年 8月 6日 判決

(課税庁主張)
確定決算基準は,実質的には,確定決算において採用した具体的な会計処理
(選択し得る複数会計処理がある場合にはそ選択した会計処理)が,
適正な会計基準に従ったもであり,かつ,税務上も許容するもである限り,
会計処理(計算)を所得計算上,みだりに変更してはならないこと
(申告調整が許されないこと)を意味している。

すなわち,売上げや仕入れように,対外的な取引で客観的な事実に基づいているもについては,
事実に基づいて所得金額計算が行われる
(確定決算において事実と異なった会計処理が行われていれば,申告書上で修正される。)が,
減価償却資産や繰延資産償却費計算,資産評価損計上等ような
内部的な取引等については,法人意思が作用する主観的なもあるから,
法人意思を最終的に確認する手段として,損金経理(法人税法2条26号)を
前提にして損金算入が認められ,それ以外会計処理による
場合(申告調整等)には,損金算入は認められないこととされていである。

(東京高等裁判所判示)
法人税法74条1項、22条4項から、法人税法は、内国法人が確定決算において
採用した具体的な会計処理(損金経理を含むも)が適正な会計処理基準に従って
計算されているもであれば、原則としてそれに依拠して、各事業年度所得金額を
計算するという考え方を採用しているもと解することは
(原判決20頁3行目冒頭ないし11行目末尾)妨げられない



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