[soudan 20951] 資産管理会社が保有する上場株式の「売買目的有価証券」該当性と、売買目的外有価証券への変更可否について
2026年8月13日
税務相互相談会の皆さん
下記について教えて下さい。

【税  目】

法人税

【対象顧客】

法人

【前  提】

1.内国法人A社(9月決算・非上場)は、
有価証券の保有・売却、不動産賃貸業および不動産管理業を
主たる事業とする、いわゆる資産管理会社です。
役員は代表取締役Aとその妻の2名、
従業員はAの子(経理担当)1名です。
昨年までは親族外の従業員Bが在籍し、インターネットでの
小売業も営んでおりましたが、現在は撤退しています。


2.A社は証券口座において特定の銘柄に限らず
多数の上場株式を保有しており、過年度から現在まで、
これらを売買目的有価証券として期末時価評価
(評価損益の益金・損金算入、洗替処理)してきました。

もっとも、A社にはトレーディング業務を行う独立の
専門部署はなく(上記のとおり役員・従業員は親族3名のみ)、
特定の取引勘定を設けた運用も行っておりません。
また、各銘柄について頻繁に売買を繰り返している実態もないです。


3.帳簿上は、取得時から「売買目的有価証券」の
勘定科目で計上しています。
従前の税理士の指示によるものだったとのことで、
取得の都度、短期売買目的か否かを判断して区分した経緯はないです。


4.ここ最近の株価の影響もあり、保有株式には多額の含み益があり、
期末時価評価による含み益課税が資金負担の面で重いため、
今後は売買目的外有価証券として時価評価の対象から外したいと考えております。
ちなみに、ここ数年ずっと含み益課税が起きています。


【質  問】

1.当初区分の誤りとして是正する余地(メイン論点)
売買目的有価証券(法人税法施行令119条の12第1号)は、
①専担者売買有価証券、または
②「取得の日において短期売買目的で取得したものである旨を
財務省令で定めるところにより帳簿書類に記載したもの」に限られると理解しております。

①について、法人税基本通達2-3-26は
専担者売買有価証券を「特定の取引勘定を設けて…売買を行い、
かつ、トレーディング業務を日常的に遂行し得る人材から
構成された独立の専門部署…により運用がされている場合」としており、
前提1・3のとおりA社はこれに該当しないと考えております。

②について、施行規則27条の5は勘定科目の区分により
記載を行う旨定めていますが、前提4のとおり、
短期売買目的か否かの実質的な判断を経ずに、
機械的に「売買目的有価証券」勘定が使用されてきた場合であっても、
同勘定科目による計上の事実をもって「短期売買目的で
取得したものである旨」の記載があったと評価されるのでしょうか。
仮に記載要件を欠くと整理できる場合、当初から売買目的外有価証券
であったとして、当期以後は時価評価を行わない処理に改める
(過年度の評価損益は洗替により各期で完結しているため、
更正期限内の年度を除き遡及処理は行わない)ことの
可否と留意点をご教示ください。


2.区分変更による対応(追加的な論点)
仮に売買目的有価証券に該当している場合、
施行令119条の11第1項1号ロの「短期売買業務の
全部を廃止したこと」による区分変更を検討します。

イ)A社のように独立のトレーディング部署を持たない法人において、
取締役会決議等により「有価証券の短期売買業務を廃止し、
長期保有方針に転換する」旨を機関決定した場合、
同号ロの事実に該当し得るでしょうか
(親族外従業員Bの退職・小売業からの撤退
という事業内容の変化も背景事情としてあります)。

ロ)区分変更の場合、同条2項により変更時の時価による
みなし譲渡・取得となり、変更時までの含み益に
一度課税が生じた上で、以後の評価損益計上が停止する
という理解でよろしいでしょうか。

ハ)区分変更後に保有株式の一部を売却する場合、
どの程度の売買頻度・態様であれば「短期売買業務の廃止」
との整合性が保たれるか、実務上の目安があればご教示ください。


3.いずれのルートによる場合も、税務署への
事前の説明・届出等、実務上推奨される手続や、
同種事案の裁決・調査事例があればご教示ください。


よろしくお願いいたします。

【参考条文・通達・URL等】

○ 法人税法施行令119条の12第1号(売買目的有価証券の範囲)/119条の11第1項1号・2項(区分変更事由の限定列挙とみなし譲渡)

○ 法人税法施行規則27条の5「令第百十九条の十二第一号…の記載は、有価証券の取得に関する帳簿書類において、
…短期売買目的で取得した有価証券の勘定科目をその目的以外の目的で取得した有価証券の勘定科目と区分することにより行う」

○ 法人税基本通達2-3-26(専担者売買有価証券の意義)
https://laws.e-gov.go.jp/law/340CO0000000097
https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/hojin/02/02_03_05.htm



質問に対する回答部分を閲覧できるのは

税務相互相談会会員限定となっています。

※ご入会日以降に本会へ新規投稿された質問・回答が閲覧できます


税務相互相談会では、月に何度でも

プロフェッショナルに税務実務の質問・相談が可能です。


税務相互相談会にご入会の上

ぜひ、ご質問を投稿してみてください!