[soudan 20912] 相続不明な出金の取り扱い(推計手許現金の相続財産計上、添付書面への記載)
2026年8月12日
税務相互相談会の皆さん
下記について教えて下さい。
【税 目】
相続・贈与税<財産評価>(井上幹康税理士)
【対象顧客】
個人
【前 提】
・令和8年1月に、亡くなった者の相続税の申告
・被相続人Aは78歳
・相続人は、妻B、子C、子D
・被相続人Aは妻と2人で生活し、生活費は被相続人Aが出していた
・相続財産のほとんどは預金。預金残高8000万円。
・令和6年7月より、幾度にわたり、被相続人Aは、
銀行口座から100万~200万円を出金していた
・銀行口座の管理は本人が行っていた
・亡くなる前1年半における出金額の合計は2300万円
・うち800万円は被相続人Aが姉Y(85歳)に
送金していた(振込依頼書にて確認できた)
・残り1500万円について、相続人BCDに確認したがわからない、とのこと
・このため銀行に、不明金15回の出金日に、
振込をしていないか調査をしてもらったところ、他者への振込はなかった
・被相続人妻Bの銀行口座の入出金履歴についても5年遡って確認したが、
被相続人Aの出金額を妻の口座に移動している状況はなかった
・被相続人Aと姉Yの住んでいる場所は200kmほど離れており、
この1年半の間に、直接面会することはなかった
・被相続人Aの他の兄弟姉妹9人が住んでいる場所は遠方で、
この期間に直接面会したことはなかった
・被相続人Aの口座からは、これ以外の出金はなく、
この引出した額から生活費に充てていた
・被相続人Aは、競輪が趣味で、月に10日ほど、競輪場に行き、
車券を購入していた
(1レース2000~3000円×11レース×10日=月に20~30万円、年240~360万:相続人の推察)
・毎月の生活費を30万円、競輪に20万円とした場合、
相続時の手許現金は500万円となる
・相続人の妻B、子2人CDで、自宅を何度も探したが、現金は見当たらなかった
・貸金庫の契約もなかった
・被相続人A、妻Bは、この期間、大きな額の買い物
(不動産、車、貴金属、着物等)はしていない
・上記状況は相続人3人BCDとも承知しており、紛争となることはない
【質 問】
推計した手許現金を相続財産の計上する税理士が
一般的に多いとお聞きしています。
今回、相続人からは
「ありもしない現金(推計500万)を相続財産にのせるのは、おかしい。
それにより相続税が増えるのもおかしい。ないものは1円ものせたくない」と言われています。
3月から、8月まで、4回の面談を行いました。
添付書面にこれまでの経緯を詳細に記載し、
推計の手許現金は相続財産に計上しない、ことにしようと考えています。
下記について、教えてください。
①下記の添付書面の記載内容についての所見についてお聞かせください。
②推計の手許現金を相続財産に計上しない、ことで、
税務署の対応は、「相続人」に対して、どのようになることが考えられますか。
③推計の手許現金を相続財産に計上しない、ことで、
税務署の対応は、「税理士」に対して、どのようになることが考えられますか。
④本件相続税の申告において、その他留意する事項は、ありますか。
***********************
◆添付書面での説明文◆
<手許現金> <入出金の調査・ヒアリング>
50万円以上の入出金が多数みられたので、その内容について相続人Aに確認した。
被相続人Aは、不定期に50万円~300万円を引き出し、
ある程度まとまった現金を手元におきながら生活費に充てているようであった。
被相続人の配偶者Bによると、毎月の生活費で使う現金は30万円くらいとのことだった。
また被相続人Aは知人に競輪選手がいたので競輪が趣味とのことだった。
Xけいりん開催以外の日でも、他県で競輪レースがあるときは、
Xけいりんに行って場外車券を購入していた。
月に10日程度、Xけいりん(X市)へ車で行き、
毎レースで車券を購入し、1日あたり2~3万円(2~3千円×11レース)、
毎月20~30万円ほどを競輪で使っていたようだ、とのことであった。
50万円以上の出金・入金・送金の履歴を下記に列記する。
<S信金>
・R3.6.7 300万円 引き出した(うち100万円は相続人Bの口座へ入金)。
差し引きの出金額は200万円。
(R3:出金200万円、入金0万円、送金0万円)
・R4.3.7 100万円 送金した。
送金先は兄弟姉妹の誰かであろうとのことであった。
令和7年には姉Yへ送金したことは振込依頼書から判明しているが本件の送金先は不明。
・R4.4.19 100万円 振り替えた。(振替先不明のため出金とする)
・R4.4.19 100万円 振り替えた。(振替先不明のため出金とする)
・R4.6.30 200万円 振り替えた。(振替先不明のため出金とする)
・R4.6.14 被相続人は前述のMS銀行総合口座を解約し、8,166,513円 入金した。
・R4.8.25 200万円 引き出した。
・R4.10.3 100万円 送金した。
送金先は兄弟姉妹の誰かであろうとのことであった。
令和7年には姉Yへ送金したことは振込依頼書から判明しているが本件の送金先は不明。
・R4.11.15 200万円 引き出した。(R4:出金800万円、入金0万円、送金200万円)
・R5.4.24 200万円 引き出した。
・R5.6.5 100万円 引き出した。
・R5.7.28 50万円 引き出した。
・R5.10.20 100万円 引き出した。
・R5.10.30 100万円 引き出した。(R5:出金550万円、入金0万円、送金0万円)
・R6.1.16 200万円 引き出した。
・R6.3.27 200万円 引き出した。
・R6.6.24 180万円 入金した。
・R6.7.11 520万円 入金した。
・R6.7.11 100万円 入金した。
・R6.7.11 100万円 被相続人の姉Yへ送金した。
・R6.7.24 被相続人Aは前述のS銀行総合口座を解約し、18,006,590円 入金した。
・R6.8.2 200万円 引き出した。
・R6.8.9 300万円 引き出した。
・R6.12.23 100万円 引き出した。(R6:出金1000万円、入金800万円、送金100万円)
・R7.1.22 200万円 引き出した(うち75万円は相続人配偶者Bの口座へ入金)。差し引きの出金額は125万円。
・R7.6.26 200万円 引き出した。
・R7.8.15 50万円 引き出した。
・R7.10.21 100万円 引き出した。
・R7.11.11 100万円 被相続人の姉Yへ送金した。
・R7.12.1 100万円 被相続人の姉Yへ送金した。
・R7.12.19 400万円 被相続人の姉Yへ送金した。
・R7.12.29 200万円 被相続人の姉Yへ送金した。(R7:出金475万円、入金0万円、送金800万円)
<O銀行>
・R6.2.8 50万円 引き出した。
・R6.3.21 100万円 引き出した。
・R6.5.20 50万円 引き出した。(R6:出金200万円、入金0万円、送金0万円)
・R7.1.30 100万円 引き出した。
・R7.4.4 100万円 引き出した。
・R7.5.7 100万円 引き出した。
・R7.7.25 100万円 引き出した。
・R7.10.1 100万円 引き出した。
・R7.11.7 100万円 引き出した。
・R7.12.26 50万円 引き出した。(R7:出金650万円、入金0万円、送金0万円)
被相続人Aの預金口座から上記のような多数の入出金の履歴があったため、
配偶者Bの預金口座の入出金の履歴を確認したところ、以下の2件の入金を確認した。
令和3年6月7日100万円の入金、令和7年1月22日75万円の入金。
(相続人の配偶者Bから提出を受け履歴を確認した預金口座は、S信金、Y銀行である)。
なお、令和7年1月22日の75万円は、生前贈与加算した。
上記をもとに、各年ごとに、入出金の合計額から手許現金を推察集計した。
<令和3年 集計>
・引出額 200万円
・入金額 ▲ 0万円
・生活費 ▲360万円(=30万円×12月)
・競輪代 ▲240万円(=2~3万円/日×月に10日×12月)
・令和3年初めの手許現金は不明。
令和3年末の手許現金は、0円と推察(年初不明+出金200万-入金0万-生活費360万-競輪代240万<0円)
<令和4年 集計>
・兄弟姉妹への送金額 200万円と推察
・引出額 800万円
・入金額 ▲ 0万円
・生活費 ▲360万円(=30万円×12月)
・競輪代 ▲240万円(=2~3万円/日×月に10日×12月)
・令和4年末の手許現金を 200万円と推察(年初0万+出金800万-入金0万-生活費360万-競輪代240万)
<令和5年 集計>
・引出額 550万円
・入金額 ▲ 0万円
・生活費 ▲360万円(=30万円×12月)
・競輪代 ▲240万円(=2~3万円/日×月に10日×12月)
・令和5年末の手許現金を 150万円と推察(年初200万+出金550万-入金0万-生活費360万-競輪代240万)
<令和6年 集計>
・姉Yへの送金額 100万円
・引出額 1200万円
・入金額 ▲800万円
・生活費 ▲360万円(=30万円×12月)
・競輪代 ▲240万円(=2~3万円/日×月に10日×12月)
・令和6年末の手許現金を 0円と推察(年初150万+出金1200万-入金800万-生活費360万-競輪代240万<0円)
<令和7年 集計>
・姉Yへの送金額 800万円
・引出額 1125万円
・入金額 ▲ 0万円
・生活費 ▲360万円(=30万円×12月)
・競輪代 ▲240万円(=2~3万円/日×月に10日×12月)
・令和7年末の手許現金を 525万円と推察(年初0万+出金1125万-入金0万-生活費360万-競輪代240万)
<令和8年 集計>
・出金額 0万円
・入金額 0万円
・生活費 30万円(=30万円×1月)
・相続時における手許現金を 495万円と推察(年初525万+出金0万-入金0万-生活費30万)
令和8年3月26日の初回面談時に、手許現金はどれくらいあるか
相続人3名BCDにヒアリングしたところ「手許現金はない」との回答であった。
ところが上記の通り、被相続人の預金口座からの入出金履歴を確認したところ、
令和7年中の引出額は約1100万円あって、また上記試算をすると
相続時の手許現金は約500万円となった。
令和8年4月14日、改めて相続人3名と面談し、
「試算によると手許現金は約500万円となった。
令和7年は引出額が大きいのでタンス預金があるのではないか。」と改めて質問した。
「現金がないか、再度、被相続人の自宅を探してみる」とのことであった。
相続人3名は被相続人の自宅をくまなく探したが現金は見つからなかった、とのことだった。
令和8年5月7日の面談時においても、相続人3名BCDに
「現金は本当にないのか。どこかにあるのではないか。
それとも何か購入したのか。現金はどこへいったのか。
誰かにあげたりしていないか。」と再度質問した。
被相続人の子Cからは
「父も母も高額な買い物はしていない。父はとても兄弟姉妹思いだったので、
姉Y以外の兄弟姉妹にもお金を渡したと考えられる。」とのことであった。
ここ数年のうちに、被相続人は、遠方に住む兄弟姉妹のところに行っていないし、
被相続人の兄弟姉妹もX市に来ていないとのことだったので、
現金の手渡しはしていないようであった。
令和7年のO銀行の口座からの現金出金が、
令和3年~6年に比べて増えていたので、O銀行から兄弟姉妹に送金したことを疑い、
O銀行に調査してもらった。
口座からの出金日(1/30、4/4、5/7、7/25、10/1、11/7、12/26)に、
「被相続人A名義での窓口振込はない」との回答書を得た(令和8年5月15日付)。
令和8年7月10日の面談時、再度、相続人3名BCDに質問した。
「O銀行から兄弟姉妹への振込はないようだった。
手許現金は本当にないか」と。
すると、被相続人の子CDの両名は、
「お金を渡すとすれば、兄弟姉妹以外は考えられない。
姉Y以外の兄弟姉妹にお金を渡すことは、被相続人の配偶者Bに知られたくないから、
被相続人Aは振込ではなく、現金書留で送ったのではないか」とのことだった(現金書留は最大50万円まで)。
また子2人CDからは「もし兄弟姉妹にお金を渡す以外でお金を使ったとしたら、
自宅で競輪チャンネルを契約して、しょっちゅう競輪を見るほど
競輪好きだったので、令和7年は例年以上に競輪レースに
資金を投入していたのではないか」とのことであった。
令和8年8月11日、相続人3名BCDと面談した。
「財産隠しは脱税である。現金を隠していないか。
本当に現金はないか。」と。すると、相続人全員BCDから
「現金は本当にない。被相続人は手許にお金を残していない。
すべて使ったと思う。ありもしない現金を推計で相続財産に計上するのはおかしい」
とのことであった。
このような経緯があり、手許現金には、令和8年2月5日、
S信金より引き出した20万円のみを相続財産に計上した。
【参考条文・通達・URL等】
◆相続の使途不明金
https://i-i-law.com/topics/1277/
◆使途不明金 カチエル
https://kachiel-web.jp/service/sougosoudankai/soudan-qa/10016
下記について教えて下さい。
【税 目】
相続・贈与税<財産評価>(井上幹康税理士)
【対象顧客】
個人
【前 提】
・令和8年1月に、亡くなった者の相続税の申告
・被相続人Aは78歳
・相続人は、妻B、子C、子D
・被相続人Aは妻と2人で生活し、生活費は被相続人Aが出していた
・相続財産のほとんどは預金。預金残高8000万円。
・令和6年7月より、幾度にわたり、被相続人Aは、
銀行口座から100万~200万円を出金していた
・銀行口座の管理は本人が行っていた
・亡くなる前1年半における出金額の合計は2300万円
・うち800万円は被相続人Aが姉Y(85歳)に
送金していた(振込依頼書にて確認できた)
・残り1500万円について、相続人BCDに確認したがわからない、とのこと
・このため銀行に、不明金15回の出金日に、
振込をしていないか調査をしてもらったところ、他者への振込はなかった
・被相続人妻Bの銀行口座の入出金履歴についても5年遡って確認したが、
被相続人Aの出金額を妻の口座に移動している状況はなかった
・被相続人Aと姉Yの住んでいる場所は200kmほど離れており、
この1年半の間に、直接面会することはなかった
・被相続人Aの他の兄弟姉妹9人が住んでいる場所は遠方で、
この期間に直接面会したことはなかった
・被相続人Aの口座からは、これ以外の出金はなく、
この引出した額から生活費に充てていた
・被相続人Aは、競輪が趣味で、月に10日ほど、競輪場に行き、
車券を購入していた
(1レース2000~3000円×11レース×10日=月に20~30万円、年240~360万:相続人の推察)
・毎月の生活費を30万円、競輪に20万円とした場合、
相続時の手許現金は500万円となる
・相続人の妻B、子2人CDで、自宅を何度も探したが、現金は見当たらなかった
・貸金庫の契約もなかった
・被相続人A、妻Bは、この期間、大きな額の買い物
(不動産、車、貴金属、着物等)はしていない
・上記状況は相続人3人BCDとも承知しており、紛争となることはない
【質 問】
推計した手許現金を相続財産の計上する税理士が
一般的に多いとお聞きしています。
今回、相続人からは
「ありもしない現金(推計500万)を相続財産にのせるのは、おかしい。
それにより相続税が増えるのもおかしい。ないものは1円ものせたくない」と言われています。
3月から、8月まで、4回の面談を行いました。
添付書面にこれまでの経緯を詳細に記載し、
推計の手許現金は相続財産に計上しない、ことにしようと考えています。
下記について、教えてください。
①下記の添付書面の記載内容についての所見についてお聞かせください。
②推計の手許現金を相続財産に計上しない、ことで、
税務署の対応は、「相続人」に対して、どのようになることが考えられますか。
③推計の手許現金を相続財産に計上しない、ことで、
税務署の対応は、「税理士」に対して、どのようになることが考えられますか。
④本件相続税の申告において、その他留意する事項は、ありますか。
***********************
◆添付書面での説明文◆
<手許現金> <入出金の調査・ヒアリング>
50万円以上の入出金が多数みられたので、その内容について相続人Aに確認した。
被相続人Aは、不定期に50万円~300万円を引き出し、
ある程度まとまった現金を手元におきながら生活費に充てているようであった。
被相続人の配偶者Bによると、毎月の生活費で使う現金は30万円くらいとのことだった。
また被相続人Aは知人に競輪選手がいたので競輪が趣味とのことだった。
Xけいりん開催以外の日でも、他県で競輪レースがあるときは、
Xけいりんに行って場外車券を購入していた。
月に10日程度、Xけいりん(X市)へ車で行き、
毎レースで車券を購入し、1日あたり2~3万円(2~3千円×11レース)、
毎月20~30万円ほどを競輪で使っていたようだ、とのことであった。
50万円以上の出金・入金・送金の履歴を下記に列記する。
<S信金>
・R3.6.7 300万円 引き出した(うち100万円は相続人Bの口座へ入金)。
差し引きの出金額は200万円。
(R3:出金200万円、入金0万円、送金0万円)
・R4.3.7 100万円 送金した。
送金先は兄弟姉妹の誰かであろうとのことであった。
令和7年には姉Yへ送金したことは振込依頼書から判明しているが本件の送金先は不明。
・R4.4.19 100万円 振り替えた。(振替先不明のため出金とする)
・R4.4.19 100万円 振り替えた。(振替先不明のため出金とする)
・R4.6.30 200万円 振り替えた。(振替先不明のため出金とする)
・R4.6.14 被相続人は前述のMS銀行総合口座を解約し、8,166,513円 入金した。
・R4.8.25 200万円 引き出した。
・R4.10.3 100万円 送金した。
送金先は兄弟姉妹の誰かであろうとのことであった。
令和7年には姉Yへ送金したことは振込依頼書から判明しているが本件の送金先は不明。
・R4.11.15 200万円 引き出した。(R4:出金800万円、入金0万円、送金200万円)
・R5.4.24 200万円 引き出した。
・R5.6.5 100万円 引き出した。
・R5.7.28 50万円 引き出した。
・R5.10.20 100万円 引き出した。
・R5.10.30 100万円 引き出した。(R5:出金550万円、入金0万円、送金0万円)
・R6.1.16 200万円 引き出した。
・R6.3.27 200万円 引き出した。
・R6.6.24 180万円 入金した。
・R6.7.11 520万円 入金した。
・R6.7.11 100万円 入金した。
・R6.7.11 100万円 被相続人の姉Yへ送金した。
・R6.7.24 被相続人Aは前述のS銀行総合口座を解約し、18,006,590円 入金した。
・R6.8.2 200万円 引き出した。
・R6.8.9 300万円 引き出した。
・R6.12.23 100万円 引き出した。(R6:出金1000万円、入金800万円、送金100万円)
・R7.1.22 200万円 引き出した(うち75万円は相続人配偶者Bの口座へ入金)。差し引きの出金額は125万円。
・R7.6.26 200万円 引き出した。
・R7.8.15 50万円 引き出した。
・R7.10.21 100万円 引き出した。
・R7.11.11 100万円 被相続人の姉Yへ送金した。
・R7.12.1 100万円 被相続人の姉Yへ送金した。
・R7.12.19 400万円 被相続人の姉Yへ送金した。
・R7.12.29 200万円 被相続人の姉Yへ送金した。(R7:出金475万円、入金0万円、送金800万円)
<O銀行>
・R6.2.8 50万円 引き出した。
・R6.3.21 100万円 引き出した。
・R6.5.20 50万円 引き出した。(R6:出金200万円、入金0万円、送金0万円)
・R7.1.30 100万円 引き出した。
・R7.4.4 100万円 引き出した。
・R7.5.7 100万円 引き出した。
・R7.7.25 100万円 引き出した。
・R7.10.1 100万円 引き出した。
・R7.11.7 100万円 引き出した。
・R7.12.26 50万円 引き出した。(R7:出金650万円、入金0万円、送金0万円)
被相続人Aの預金口座から上記のような多数の入出金の履歴があったため、
配偶者Bの預金口座の入出金の履歴を確認したところ、以下の2件の入金を確認した。
令和3年6月7日100万円の入金、令和7年1月22日75万円の入金。
(相続人の配偶者Bから提出を受け履歴を確認した預金口座は、S信金、Y銀行である)。
なお、令和7年1月22日の75万円は、生前贈与加算した。
上記をもとに、各年ごとに、入出金の合計額から手許現金を推察集計した。
<令和3年 集計>
・引出額 200万円
・入金額 ▲ 0万円
・生活費 ▲360万円(=30万円×12月)
・競輪代 ▲240万円(=2~3万円/日×月に10日×12月)
・令和3年初めの手許現金は不明。
令和3年末の手許現金は、0円と推察(年初不明+出金200万-入金0万-生活費360万-競輪代240万<0円)
<令和4年 集計>
・兄弟姉妹への送金額 200万円と推察
・引出額 800万円
・入金額 ▲ 0万円
・生活費 ▲360万円(=30万円×12月)
・競輪代 ▲240万円(=2~3万円/日×月に10日×12月)
・令和4年末の手許現金を 200万円と推察(年初0万+出金800万-入金0万-生活費360万-競輪代240万)
<令和5年 集計>
・引出額 550万円
・入金額 ▲ 0万円
・生活費 ▲360万円(=30万円×12月)
・競輪代 ▲240万円(=2~3万円/日×月に10日×12月)
・令和5年末の手許現金を 150万円と推察(年初200万+出金550万-入金0万-生活費360万-競輪代240万)
<令和6年 集計>
・姉Yへの送金額 100万円
・引出額 1200万円
・入金額 ▲800万円
・生活費 ▲360万円(=30万円×12月)
・競輪代 ▲240万円(=2~3万円/日×月に10日×12月)
・令和6年末の手許現金を 0円と推察(年初150万+出金1200万-入金800万-生活費360万-競輪代240万<0円)
<令和7年 集計>
・姉Yへの送金額 800万円
・引出額 1125万円
・入金額 ▲ 0万円
・生活費 ▲360万円(=30万円×12月)
・競輪代 ▲240万円(=2~3万円/日×月に10日×12月)
・令和7年末の手許現金を 525万円と推察(年初0万+出金1125万-入金0万-生活費360万-競輪代240万)
<令和8年 集計>
・出金額 0万円
・入金額 0万円
・生活費 30万円(=30万円×1月)
・相続時における手許現金を 495万円と推察(年初525万+出金0万-入金0万-生活費30万)
令和8年3月26日の初回面談時に、手許現金はどれくらいあるか
相続人3名BCDにヒアリングしたところ「手許現金はない」との回答であった。
ところが上記の通り、被相続人の預金口座からの入出金履歴を確認したところ、
令和7年中の引出額は約1100万円あって、また上記試算をすると
相続時の手許現金は約500万円となった。
令和8年4月14日、改めて相続人3名と面談し、
「試算によると手許現金は約500万円となった。
令和7年は引出額が大きいのでタンス預金があるのではないか。」と改めて質問した。
「現金がないか、再度、被相続人の自宅を探してみる」とのことであった。
相続人3名は被相続人の自宅をくまなく探したが現金は見つからなかった、とのことだった。
令和8年5月7日の面談時においても、相続人3名BCDに
「現金は本当にないのか。どこかにあるのではないか。
それとも何か購入したのか。現金はどこへいったのか。
誰かにあげたりしていないか。」と再度質問した。
被相続人の子Cからは
「父も母も高額な買い物はしていない。父はとても兄弟姉妹思いだったので、
姉Y以外の兄弟姉妹にもお金を渡したと考えられる。」とのことであった。
ここ数年のうちに、被相続人は、遠方に住む兄弟姉妹のところに行っていないし、
被相続人の兄弟姉妹もX市に来ていないとのことだったので、
現金の手渡しはしていないようであった。
令和7年のO銀行の口座からの現金出金が、
令和3年~6年に比べて増えていたので、O銀行から兄弟姉妹に送金したことを疑い、
O銀行に調査してもらった。
口座からの出金日(1/30、4/4、5/7、7/25、10/1、11/7、12/26)に、
「被相続人A名義での窓口振込はない」との回答書を得た(令和8年5月15日付)。
令和8年7月10日の面談時、再度、相続人3名BCDに質問した。
「O銀行から兄弟姉妹への振込はないようだった。
手許現金は本当にないか」と。
すると、被相続人の子CDの両名は、
「お金を渡すとすれば、兄弟姉妹以外は考えられない。
姉Y以外の兄弟姉妹にお金を渡すことは、被相続人の配偶者Bに知られたくないから、
被相続人Aは振込ではなく、現金書留で送ったのではないか」とのことだった(現金書留は最大50万円まで)。
また子2人CDからは「もし兄弟姉妹にお金を渡す以外でお金を使ったとしたら、
自宅で競輪チャンネルを契約して、しょっちゅう競輪を見るほど
競輪好きだったので、令和7年は例年以上に競輪レースに
資金を投入していたのではないか」とのことであった。
令和8年8月11日、相続人3名BCDと面談した。
「財産隠しは脱税である。現金を隠していないか。
本当に現金はないか。」と。すると、相続人全員BCDから
「現金は本当にない。被相続人は手許にお金を残していない。
すべて使ったと思う。ありもしない現金を推計で相続財産に計上するのはおかしい」
とのことであった。
このような経緯があり、手許現金には、令和8年2月5日、
S信金より引き出した20万円のみを相続財産に計上した。
【参考条文・通達・URL等】
◆相続の使途不明金
https://i-i-law.com/topics/1277/
◆使途不明金 カチエル
https://kachiel-web.jp/service/sougosoudankai/soudan-qa/10016
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