[soudan 20842] 遺産分割協議の有効性及び贈与税課税のリスクについて
2026年8月06日
税務相互相談会の皆さん
下記について教えて下さい。

【税  目】

相続・贈与税<財産評価を含まない>

【対象顧客】

個人

【前  提】

被相続人の養子である相続人

【質  問】

遺産分割協議について、
①分割協議は有効かどうか。
②公正証書遺言書発見以前に相続登記した不動産について、
遺産分割のやり直しとして贈与税が課税されないか、お尋ねいたします。

 令和7年10月28日に相続を開始しました。

 被相続人A(103歳)には配偶者、子は共になく、
弟甲(83歳)と弟の妻乙(80歳)と養子縁組を結んでいます。

 遺言書の内容を相続人が認識する以前に、
令和8年6月1日に司法書士事務所において「遺産分割協議証明書」により、
不動産の全てが甲名義に登記が行われています。
「遺産分割協議証明書」には、下記の分割協議書にある代償金については記載は有りません。

 相続人は令和8年7月16日に被相続人の介護をしていた丙(70歳)より
Aが公正証書遺言を残している旨の電話連絡を受け、
公正証書遺言の存在を初めて認識しました。

Aの遺産の概略は、不動産2千万円、預金1千万円、上場株式3億円です。

 公正証書遺言の内容は次のとおりです。

 「証券会社に預託中の被相続人名義の株式等金融資産の全てについて、
換価換金し、 その換価金の中から1,000万円を丙に遺贈し、
その余の財産全部を、相続人甲と相続人乙に対して均等の割合で相続させる。」
とされています。

遺言執行者として、法人xが指定されています。

 「均等の割合で相続させる。」とされている部分について
相続人の全員において令和8年7月25日に協議を行い次のとおり
遺産分割協議書を作成しました。

「均等の割合で相続させるとされている財産部分について、
各相続人がそれぞれ次のとおり遺産を分割し、これを相続することに決定した。
財産を均等に分割するにあたり、遺産の一部については代償分割の方法によることとした。
計算の基礎となる財産評価額は、相続時点における相続税評価額を基準として
計算することに相続人の全員が同意した。

1.有価証券の相続
(1)株式等金融資産の内、証券株式会社に預託中の被相続人名義の
株式等金融資産の全てについては、換価分割することとし、
相続人甲は相続人代表として全ての株式を相続人甲の開設した特定口座
及び一般口座に名義を書き換えた後、売却又は解約し、相続人甲の預金口座に
入金した後、受遺者丙の預金口座に1,000万円を振り込む。
残余の金額の2分の1の金額を相続人乙の銀行口座に振込の方法により分配する。

(2)前記(1)の証券株式会社に預託中の被相続人名義の株式等以外の
株式等金融資産のうち、T株式会社普通株式600株については、
上場廃止のため売却が困難であることから相続人甲が相続し、
評価額の2分の1相当額について、代償として、
有価証券の売却額及び預貯金の解約金の内から相続人乙の銀行口座に
振込の方法により支払う。

2.不動産については相続人甲が全て相続し、不動産の相続税評価額の
2分の1相当については代償として、有価証券の売却額及び預貯金の解約金の
内から乙に支払う。

3・その他の資産負債は全て均等に相続する。

※遺言執行者とは電話で話したのみで、文書による承認は受けておりません。

以上お尋ねいたします。


当社の見解
 ①分割協議の有効性について、
   不動産の相続において代償金を支払う方法は遺言書には書かれておりませんが、
  遺言書のとおりに遺産を均等に相続するための方法であり遺言書の内容を変える分
  割ではないと考えますので、分割協議は有効と考えます。
 ②分割協議が遺産分割のやり直しかどうかについて、
   1回目として「遺産分割協議証明書」により不動産を甲が取得し、2回目として
  1回目に甲が取得した不動産以外のその他の財産・債務の分割を協議し、最終的に
  代償金を乙に支払う決定をしたものであり、遺産分割協議書のやり直しではないの
  で、贈与の問題は発生しないと考えます。

【参考条文・通達・URL等】

特になし



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