[soudan 20581] 売掛債権の会計・税務処理について
2026年7月23日
税務相互相談会の皆さん
下記について教えて下さい。

【税  目】

法人税

【対象顧客】

法人

【前  提】

業種: 卸売業を営む同族法人

1. 債権・債務および取引の現状
・ 対象金額: 売掛金 2,100万円 / 仮受金 200万円(差引 1,900万円)
・ 証拠関係: 契約書・請求書はなし。
 過去の「期限切れ先日付小切手(実物)」と「自社総勘定元帳」のみ現存。
・ 経緯: 毎月小切手を切り直して少額返済を受けていましたが、
 全行的な小切手廃止に伴い「債務確認書」への署名・捺印を求めたところ
 拒否され、今後の返済も途絶える見込みです。なお、これまで毎月返済を
 受けていた低額な返済ペースでは、債務者の生存中に完済することは
 物理的に不可能な状況でした。

2. 債務者の状況および所有不動産・担保の実態
・ 属性: 個人・高齢。金融機関からの借入(返済継続中)が存在します
 (他法人・個人・消費者金融等の借入の有無や詳細は不明)。
 当社からの債務確認には拒否姿勢をとっており、今後、個人の
 資力を証明できる書類を入手することもできないものと思われます。

・ 所有不動産および当社の担保設定状況:
o 自宅不動産: 敷地は2筆あり、うち「1筆」に当社が第3順位で担保を設定。
建物は共有名義(債務者と妻で各1/2)ですが、当社は債務者持分だけでなく
妻持分も含めた「建物全体」に第3順位の担保を設定しています(妻は物上保証人)。
ただし、いずれも先順位に金融機関の担保(極度額等)が設定されています。
o 自宅以外の土地: 複数存在(金融機関等の担保が設定されているもの、一部無担保のものが混在)。

・ 回収見込みに関する判断: 先順位極度額の存在(オーバーローン状態)に加え、
競売を行っても配当ゼロで完全に裁判費用・測量費用等の「費用倒れ」
となると見込まれることから、自力回収は不可能と判断しております。

3. 当社の処理方針
当社としては、あらかじめ「内容証明郵便にて相殺通知(仮受金200万円)
および債務免除通知(残額1,900万円)を同時に送付」した上で、当期中に帳簿から落とす方針です。

【質  問】

税務上の処理について、以下の点につきご見解をお聞かせください。

【第1希望】基通 9-6-1(4) または 9-6-2 による全額損金化の検討

社内エビデンスとして以下の資料を整備・保管し、
基通 9-6-1(4)(債務免除による貸倒れ)または 9-6-2(回収不能の貸倒れ)を適用して、
当期に全額損金(特別損失)処理したいと考えております。

・ 無余剰・換価困難性の立証:
o 担保付物件(自宅・他土地): 固定資産税路線価等による評価試算と
先順位極度額を比較し、オーバーローンを証明する。
自宅(土地1筆および建物全体)についても、先順位金融機関の極度額により
当社への配当見込みがゼロ(無余剰・実質担保価値なし)である事実を提示する。
o 無担保物件: 不動産業者のコメント等を取得し、「流動性がなく
売却不能(実質価値ゼロ)」であることを証明する。

・ 弁済余力の欠如・費用倒れの立証:
o 「金融機関返済で手一杯であり当社への返済資力がないと思われること」
「返済途絶・債務確認拒否の実態」「法的措置をとっても配当ゼロで
費用倒れになると見込まれること」を時系列でまとめた顛末書を作成する。
【質問1】 内容証明郵便で「相殺」と「債務免除」の通知を行った上で、
上記エビデンス(評価試算・先順位オーバーローンの事実・業者評価・顛末書)
を揃え、1,900万円を基通 9-6-1(4) または 9-6-2 により全額損金申告することは、
税務上の選択肢として十分現実的でしょうか?

【第2希望】損金化が困難な場合の「別表4加算(寄附金等処理)」

上記エビデンスを揃えても貸倒処理(全額損金化)の否認リスクが高い
とお考えの場合は、安全策として「内容証明で相殺・免除通知送付
+ 会計上特損計上 + 別表4全額(1,900万円)加算・社外流出」へ切り替えます。
なお、消費税は「対象外」として処理します。

【質問2】 自ら別表4で全額加算する場合、
法人税で問題になることはないとの理解でよかったでしょうか?

【質問3】 この加算処理において、役員賞与認定等の
二次的リスクや手続上の留意点はございますか?

【参考条文・通達・URL等】

法人税基本通達 9-6-2
法人税基本通達 9-6-1(4)



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