[soudan 20505] 簡易課税制度における事業区分の判定について(クラウドサービスの再販売)
2026年7月16日
税務相互相談会の皆さん
下記について教えて下さい。

【税  目】

消費税(金井恵美子税理士)

【対象顧客】

法人

【前  提】

1.顧問先は、消費税の簡易課税制度を適用しています。

2.対象となる取引は、ソフトウェア開発会社(以下「メーカー」)が
  開発・提供する事業者向けクラウドサービス(SaaS)の販売店取引です。

3.顧問先はメーカーとの間で販売店卸売契約を締結しており、契約上は、
  当該クラウドサービスを利用するためのライセンスキーを
  「第三者への再販売のために買い受ける」形となっています。仕切率は80%です。

4.顧問先は、エンドユーザー(すべて事業者)に対し、自社名義および
  自社の適格請求書発行事業者登録番号により、クラウドサービスの利用料全額を請求します。
  一方、メーカーに対しては、販売価格の80%に相当する仕切額を支払います。

5.ただし、販売店卸売契約には、顧問先はエンドユーザーその他の第三者に対して
  当該クラウドサービスの利用を許諾する権利を有しないこと、また、利用許諾に関する契約(ライセンス契約)は
  メーカーとエンドユーザーとの間で直接成立することが明記されています。

6.したがって、商流上は顧問先がメーカーからライセンスキーを買い受け、これをエンドユーザーに
  再販売する形となっていますが、クラウドサービスそのものの利用許諾は、
  メーカーからエンドユーザーに対して直接行われます。

7.また、保守、サポート、導入支援および利用許諾は、すべてメーカーがエンドユーザーに対して直接提供します。
  顧問先が担う業務は、主として顧客開拓、商談、見積書兼注文書の発行、クロージングおよび注文書の回収です。

8.なお、有形物である記録媒体等の納品はなく、ライセンスキーは所定のフォームによる申請後に発行されます。

【質  問】

以上の取引について、簡易課税制度上の事業区分を、第1種事業(卸売業)と第5種事業(サービス業等)の
いずれと判定すべきか、ご教示いただきたいと考えています。

当方では、以下の2つの考え方があり得ると整理しています。

【第1種事業(卸売業)とする考え方】

顧問先とメーカーとの間には仕入れと再販売の商流があり、顧問先はエンドユーザーに対して
自社名義で利用料全額を請求し、売上として計上しています。

また、メーカーから買い受けたライセンスキーを、その性質を変更することなく事業者である
エンドユーザーに再販売していることから、
「他の者から購入した商品を、その性質および形状を変更しないで他の事業者に販売する事業」に該当し、
第1種事業(卸売業)と考える余地があります。

【第5種事業(サービス業等)とする考え方】

一方、消費税法基本通達13-2-4に基づき、日本標準産業分類を基礎として事業区分を判定する場合、
一般に卸売業・小売業は有体的商品の販売を中心とする分類であり、クラウドサービスの利用に関する
ライセンスキーの再販売は、情報通信業またはサービス業に分類される可能性があります。

また、契約上、クラウドサービスの利用許諾契約はメーカーとエンドユーザーとの間で
直接成立し、顧問先自身には利用許諾権がありません。

このため、顧問先の取引の実質を、クラウドサービスの利用権そのものの販売ではなく、
メーカーとエンドユーザーとの契約成立を媒介する販売取次またはあっせんに係る役務提供と捉える余地があり、
その場合には第5種事業に該当する可能性があると考えています。

以上を踏まえ、本件取引について、第1種事業と第5種事業のいずれに区分するのが適切でしょうか。

【参考条文・通達・URL等】

消費税法基本通達13-2-4
https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/shohi/13/02.htm

日本標準産業分類 大分類I(卸売業、小売業)の「総説」(総務省)
https://www.soumu.go.jp/main_content/000300073.pdf



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