[soudan 20113] 定年延長に伴う退職金規程変更前後の退職金の課税関係等について
2026年6月30日
税務相互相談会の皆さん
下記について教えて下さい。

【税  目】

所得税<申告所得税・源泉所得税>(山形富夫税理士)

【対象顧客】

法人

【前  提】

・当社は資本金1億円以下(ただし、100%親会社の資本金が1.5億円のため大規模法人に該当)。
・今般、定年を60歳から65歳に延長するため、就業規則及び退職金規程を以下のように変更予定。

<退職金規程案>
・退職金額
入社~60歳(旧定年)までの勤続年数に応じた金額を、退職金規程に基づいた計算式で算出。

・受取時期
下記の3パターンから従業員自身が選択できるようにする。
パターン1:60歳(旧定年)
パターン2:60歳~64歳で退職する場合、その退職時
パターン3:65歳(新定年)

・勤続慰労金
60歳以降は勤続慰労金として1年ごとに20万円を加算(上限70歳)。

※退職金を60歳(旧定年)で受け取り済であっても、勤続慰労金を支給。
<例>
60歳で退職金を受け取り、63歳で退職する場合
退職金:入社~60歳までの金額を60歳で受け取り。
勤続慰労金:20万円×3年=60万円を63歳の退職時に受け取り。

【質  問】

上記の退職金規程の改定において、国税庁の質疑応答事例や文
書回答事例(東京国税局・熊本国税局等)を踏まえ、以下の見
解でよいか、ご教示いただけますでしょうか。

1.規定変更「前」に入社している従業員について
前提の「②受取時期」に記載の3パターンの「選択制」とした
場合、従業員が受け取る退職金はいずれも退職所得として取り
扱われるでしょうか。
それとも一律に旧定年である60歳時に支給しないと退職所得と
は認められないでしょうか。
(東京国税局の文書回答事例等から、一律支給ではなく希望者
への選択制であっても認められると解釈しております。)

2.規定変更「後」に入社している従業員について
選択性は認められず、一律に新定年である65歳時に受け取らな
いと退職所得としては認められないと考えてよろしいでしょう
か。
(新定年前に自己都合退職等により受け取る場合を除く)

3.勤続慰労金について
60歳(旧定年時)に退職金を受け取っていた者が、その後の退
職時(例:63歳)に勤続慰労金を受け取る場合についてです。
この勤続慰労金の計算においては、入社~60歳までの勤続期間
を一切加味しておらず(単価×60歳以降の年数)、所基通30-2
柱書きの要件を満たすため、1回目の支給額に係る勤続期間を
加味していないものとして、2回目(63歳時)の支給も退職所
得として認められるという理解でよろしいでしょうか。

4.所基通30-2「引き続き勤務する者に支払われる給与で退
職手当等とするもの」について所基通30-2(5)の「相当の理
由」については、マイホームや教育ローン等、旧定年での受給
を前提とした生活設計への配慮が必要とされています。
規定変更前に入社した従業員が旧定年時に退職金を受け取れる
規定に変更する場合において、税務調査での否認リスクを回避
するため、「相当の理由」があることについて、「事前に従業
員に受取時期についてアンケートを行う」、「従業員から支給
を受けるにあたって理由書の提出を受ける」あるいは「退職金
規程に生活設計への配慮目的であることを明記する」など理論
武装をしておくべきでしょうか。私見で結構ですのでご意見い
ただけますと幸いです。

【参考条文・通達・URL等】

30-2 引き続き勤務する者に支払われる給与で退職手当等とするもの
https://member.zeiken.co.jp/Zeiken/Hh_ArticleFrameAction.do?docID=HHTOK0000302026040101002001001001006002

質疑応答事例
定年を延長した場合に一部の従業員に対して旧定年時に確定給付企業年金から支払われる一時金の所得区分について
https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/shotoku/02/53.htm

東京国税局-文書回答事例
定年を延長した場合に一部の従業員に対してその延長前の定年に達したときに支払う一時金の所得区分について
https://www.nta.go.jp/about/organization/tokyo/bunshokaito/gensenshotoku/211111/index.htm

熊本国税局-文書回答事例
定年を延長した場合に従業員に対してその延長前の定年に達したときに支払う退職一時金の所得区分について
https://www.nta.go.jp/about/organization/kumamoto/bunshokaito/gensenshotoku/001/index.htm



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