[soudan 19769] 法定相続人ではないものに負担付遺贈した時の譲渡所得税課税
2026年6月12日
税務相互相談会の皆さん
下記について教えて下さい。

【税  目】

所得税<譲渡所得>(石田一弘税理士)

【対象顧客】

個人

【前  提】

【遺言内容】
遺言者は自宅の土地、建物を受遺者Aに遺贈する。
ただし、受遺者A当該土地建物を取得する負担として
当該土地建物に係る住宅ローンを承継すること。

その他の財産は相続人Gに相続させる。

※受遺者Aは法定相続人ではない。

【遺産内訳】
自宅土地建物1億円(取得費1,000万円)
住宅ローン3,000万円
現預金1億円

【質  問】

遺贈者(被相続人)の準確定申告書において譲渡所得を
申告する必要があるかどうか以下2つの説があり、
調べる限りだと、譲渡所得税課税が行われる説が
有力のようですが、どちらによるのが適切でしょうか。

来週ご相談予定のお客様で法定相続人ではないものに
負担付遺贈する旨の遺言があるとのことで、
ご意見お伺いできますと幸いです。

また、実務で負担付遺贈で譲渡所得として
申告した経験等があればご教示いただけますと幸いです。


・譲渡所得税課税が行われる説
譲渡収入 3,000万円(住宅ローン残債) - 取得費 1,000万円 = 2,000万円

負担付遺贈により遺言者の債務3,000万円が消滅したことになります。
3,000万円の債務消滅の利益を受けたのは遺言者本人となります。
したがって、当該利益のうち遺贈財産の取得費を超える部分については
遺言者の所得として認識する必要がある。


・譲渡所得税課税が行われない説
遺贈者に対する譲渡所得の課税は、受遺者がその受遺財産を譲渡するときまで
繰り延べられる(所得税法第60条第1項第1号)。
したがって、遺贈者に対して直接譲渡所得の課税がないため、
遺贈者(被相続人)の準確定申告書において譲渡所得を申告する必要がない。
所得税法は、譲渡所得の金額の計算における取得費に関する特例として、
贈与、相続(限定承認に係るものを除く。)
又は遺贈(包括遺贈のうち限定承認に係るものを除く。)
により取得した資産の取得費については、
贈与者、被相続人又は遺贈者の取得費を受贈者、
相続人又は受遺者に引き継がせることにより(同法第60条第1項第1号)、
その贈与者等に帰属していた資産値上がり益を
受贈者等がその資産を取得した以降の資産値上がり益に合算して、
受贈者等がその資産を譲渡したときに
受贈者等へ譲渡所得を課税する制度構成になっている。
この取得費の引き継ぎの規定が贈与者等への譲渡所得の課税を繰り 延べしている。
したがって、現行の所得税法の構成は、贈与、
相続又は遺贈(包括遺贈のうち限定承認に係るものを除く。)
により資産の移転があった場合、所得税法第60条の規定の趣旨から、
贈与者等の譲渡所得の課税が繰り延べられるので、
直接に贈与者等に対する譲渡所得の課税を予定していない。
なお、負担付贈与は、所得税法第60条第1項に規定する「贈与」に
含まれないと解されているので(最高裁・三小・昭和63年7月19日判決言渡)、
負担付贈与においては、贈与者の譲渡所得の
課税の繰り延べ(同条同項)の適用がなく、
贈与者に譲渡所得の課税がある。

【参考条文・通達・URL等】

https://tomorrowstax.com/knowledge/2024120913874/



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