[soudan 19188] 一部相続により取得した自宅の譲渡所得
2026年5月13日
税務相互相談会の皆さん
下記について教えて下さい。
【税 目】
所得税<譲渡所得>(石田一弘税理士)
【対象顧客】
個人
【前 提】
<前提>
「[soudan 17183] 小規模宅地の特例」※にてE・Fが、一部相続により取得した土地・建物を譲渡した場合の課税関係について。
※若干概要に修正がございます。
------------------------------------
<概要>
・2025年12月被相続人A(女性)が死亡。
・積極財産は
①宅地(462㎡×路線価230千円=1億260万円)、居宅(固定資産税評価額237万円)、
②預金620万円
のみである。
・被相続人の夫(B)、実子2名(C・D)はすでに死亡しており、法定相続人は孫4名(Cの子:E・F、Dの子:G・H)。
・相続財産である①自宅は、2階建ての二世帯住宅で、「1階」と「2階および1階の入り口部分」が区分所有されている。
・「1階」と「2階および1階の入り口部分」は同一面積と仮定。
(462㎡÷2=231㎡)
・①の自宅のうち、土地はAが1/1を所有。
・①の自宅のうち、1階部分をA、2階部分をE・Fが1/2ずつ所有。
・1階と2階は内部でつながっていない。
・遺産分割協議により、①の自宅の1階部分・土地をE・Fが1/2ずつ相続する。
・①の土地はBが昭和46年に取得、建物は平成8年に1階をA、2階をBが建設。
------------------------------------
<相続人Eの状況>
・Eは2023年6月より米国に赴任をしており、年に数回日本に帰国。
(住民票もないいわゆる海外赴任)
・米国赴任前より日本国内に自己所有の居宅を有していたが、海外赴任となり、貸家といしている。
<相続人Fの状況>
・Fは精神的な問題から無職。(障害者ではない)
・①の自宅の2階部分に居住。
・生活実態としては、①自宅の1階に居住する被相続人A(94歳)の世話をしながら、生活費は被相続人Aに依存して暮らしていた。
【質 問】
<質問>
・当該①の自宅をE・Fが相続税申告期限後以降に譲渡した場合の課税関係についてご教示ください。
・前提条件として、「譲渡対価は相続税評価額(土地1億260万円、居宅237万円、計1億497万円)」「取得費はわからないものとして概算取得費5%とする」「相続税の取得費加算は考慮外とする」としていただいて構いません。
<所見―Eの譲渡所得・税額>
・①の自宅建物は、昭和56年6月1日以後に建築されたものであり、被相続人の居住用財産の譲渡の特例は適用不可。
・譲渡所得
(譲渡対価1億497万円-概算取得費525万円※)×持ち分1/2=4,986万円
・所得税
4,986万円×15.315%=763万円
・住民税
譲渡した日の属する年の翌年1月1日に米国に赴任中であれば非課税。
同日に赴任が終了し、日本に帰国していれば、「4,986万円×5%=249万円」。
※1億497万円×5%
<所見―Fの譲渡所得・税額>
・Fが居住し、所有してた①自宅の2階部分及びそれに対応する土地については、居住用財産の譲渡の特例が適用できる。
・また、当該居住用財産については、長期譲渡所得の税率の特例の併用も可能である。
・譲渡所得(Fの所得分・特例未考慮)
(譲渡対価1億497万円-概算取得費525万円※)×持ち分1/2=4,986万円
・譲渡所得(居住用財産の譲渡の特例の適用部分)
4,986万円÷2(1階・2階の按分)-特例3,000万円=0万円
・譲渡所得(特例不適用部分)
4,986万円÷2(1階・2階の按分)=2,493万円
・所得税
0万円×10.21%+2,493万円×15.315%=381万円
・住民税
2,493万円×5%=124万円
<所見―その他疑問が残っている点>
・下記「東京国税局 資産税審理研修資料(令和7年)」の
「共有土地の上に共有者がそれぞれ家屋を所有している場合の居住用財産の範囲」が
上記解釈に影響を与えるかどうかの判断ができておりません。
「東京国税局 資産税審理研修資料(令和7年)」
1 共有土地の上に共有者がそれぞれ家屋を所有している場合の居住用財産の範囲
【設問】
甲と乙は、共有地(甲:1/2、乙:1/2)の上に家屋を建築し、利用している。
また、それぞれの家屋の敷地面積の割合は、A家屋が50%、B家屋が50%である。
今回、甲と乙はA家屋、B家屋及びその敷地を一括して譲渡したが、
措法35条2項の3,000万円の特別控除の特例(以下「本件特例」という。)の
適用を受けることができる共有地は、甲、乙それぞれのどの部分か。
【答】
甲及び乙は、合計して敷地全体のうちA家屋(居住用家屋)の
敷地の用に供している割合(1/2)を超えない範囲で、
それぞれ本件特例の適用を受けることができる。
【理由】
民法第249条《共有物の使用》は、各共有者は、共有物の全部について、
その持分に応じた使用をすることができると規定しており、また、
民法第251条《共有物の管理》は共有物の管理に関する事項は、
各共有者の持分の価格に従い、その過半数で決定すると規定している。
そうすると、土地の共有者である甲及び乙は、A家屋又はB家屋の
いずれの家屋の敷地にそれぞれの共有持分を優先的に使用するかを
定めることができることから、甲及び乙それぞれの共有持分の
譲渡がA家屋の敷地の譲渡に該当するかについて、当該決定に従い
判断すればよいこととなる。 さらに、本事例において、譲渡直前に
共有物分割により敷地の分割を行い、その上で譲渡した場合には、
A家屋の敷地として分割された土地については、当該土地の持分の全てに
本件特例の適用を受けることができるところ、共有物分割の手続を
とっていなかった場合でも、共有者間でそれぞれの利用状況を特定して
譲渡したものと解しても共有者間の認識に反しないと認められるときは、
これと同様に取り扱っても弊害はないものと考えられる。
したがって、甲及び乙がそれぞれの共有持分のうちA家屋の敷地に優先的に
使用すると定めた部分について、本件特例の適用を受けることができる。
なお、本件特例の適用を受けることができる部分は飽くまでA家屋の
敷地部分(土地全体の1/2)であることから、本事例において甲及び
乙が本件特例の適用を受けることができるのは、合計で土地全体の1/2までとなる。
※ 仮に、本事例において、土地の共有持分に応じて各建物の敷地について
共有物分割を行った場合、甲及び乙は共に譲渡した土地のうち
A家屋の敷地部分(それぞれ分割前の土地全体の1/4)について
本件特例の適用を受けることができる。 また、A家屋の敷地を
全て乙のものとする共有物分割を行った場合、甲は本件特例の適用を
受けることができず、乙は譲渡した土地の全て(分割前の土地全体の1/2)
について本件特例の適用を受けることができる。 共有物分割を行わず
譲渡した場合も上記同様、A家屋の敷地に甲及び乙のどちらの
共有持分を使用するか、甲及び乙が定めた部分について、
本件特例の適用を受けることができる。
【参考条文・通達・URL等】
措法35①
措法35③
措法31の3
所60
下記について教えて下さい。
【税 目】
所得税<譲渡所得>(石田一弘税理士)
【対象顧客】
個人
【前 提】
<前提>
「[soudan 17183] 小規模宅地の特例」※にてE・Fが、一部相続により取得した土地・建物を譲渡した場合の課税関係について。
※若干概要に修正がございます。
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<概要>
・2025年12月被相続人A(女性)が死亡。
・積極財産は
①宅地(462㎡×路線価230千円=1億260万円)、居宅(固定資産税評価額237万円)、
②預金620万円
のみである。
・被相続人の夫(B)、実子2名(C・D)はすでに死亡しており、法定相続人は孫4名(Cの子:E・F、Dの子:G・H)。
・相続財産である①自宅は、2階建ての二世帯住宅で、「1階」と「2階および1階の入り口部分」が区分所有されている。
・「1階」と「2階および1階の入り口部分」は同一面積と仮定。
(462㎡÷2=231㎡)
・①の自宅のうち、土地はAが1/1を所有。
・①の自宅のうち、1階部分をA、2階部分をE・Fが1/2ずつ所有。
・1階と2階は内部でつながっていない。
・遺産分割協議により、①の自宅の1階部分・土地をE・Fが1/2ずつ相続する。
・①の土地はBが昭和46年に取得、建物は平成8年に1階をA、2階をBが建設。
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<相続人Eの状況>
・Eは2023年6月より米国に赴任をしており、年に数回日本に帰国。
(住民票もないいわゆる海外赴任)
・米国赴任前より日本国内に自己所有の居宅を有していたが、海外赴任となり、貸家といしている。
<相続人Fの状況>
・Fは精神的な問題から無職。(障害者ではない)
・①の自宅の2階部分に居住。
・生活実態としては、①自宅の1階に居住する被相続人A(94歳)の世話をしながら、生活費は被相続人Aに依存して暮らしていた。
【質 問】
<質問>
・当該①の自宅をE・Fが相続税申告期限後以降に譲渡した場合の課税関係についてご教示ください。
・前提条件として、「譲渡対価は相続税評価額(土地1億260万円、居宅237万円、計1億497万円)」「取得費はわからないものとして概算取得費5%とする」「相続税の取得費加算は考慮外とする」としていただいて構いません。
<所見―Eの譲渡所得・税額>
・①の自宅建物は、昭和56年6月1日以後に建築されたものであり、被相続人の居住用財産の譲渡の特例は適用不可。
・譲渡所得
(譲渡対価1億497万円-概算取得費525万円※)×持ち分1/2=4,986万円
・所得税
4,986万円×15.315%=763万円
・住民税
譲渡した日の属する年の翌年1月1日に米国に赴任中であれば非課税。
同日に赴任が終了し、日本に帰国していれば、「4,986万円×5%=249万円」。
※1億497万円×5%
<所見―Fの譲渡所得・税額>
・Fが居住し、所有してた①自宅の2階部分及びそれに対応する土地については、居住用財産の譲渡の特例が適用できる。
・また、当該居住用財産については、長期譲渡所得の税率の特例の併用も可能である。
・譲渡所得(Fの所得分・特例未考慮)
(譲渡対価1億497万円-概算取得費525万円※)×持ち分1/2=4,986万円
・譲渡所得(居住用財産の譲渡の特例の適用部分)
4,986万円÷2(1階・2階の按分)-特例3,000万円=0万円
・譲渡所得(特例不適用部分)
4,986万円÷2(1階・2階の按分)=2,493万円
・所得税
0万円×10.21%+2,493万円×15.315%=381万円
・住民税
2,493万円×5%=124万円
<所見―その他疑問が残っている点>
・下記「東京国税局 資産税審理研修資料(令和7年)」の
「共有土地の上に共有者がそれぞれ家屋を所有している場合の居住用財産の範囲」が
上記解釈に影響を与えるかどうかの判断ができておりません。
「東京国税局 資産税審理研修資料(令和7年)」
1 共有土地の上に共有者がそれぞれ家屋を所有している場合の居住用財産の範囲
【設問】
甲と乙は、共有地(甲:1/2、乙:1/2)の上に家屋を建築し、利用している。
また、それぞれの家屋の敷地面積の割合は、A家屋が50%、B家屋が50%である。
今回、甲と乙はA家屋、B家屋及びその敷地を一括して譲渡したが、
措法35条2項の3,000万円の特別控除の特例(以下「本件特例」という。)の
適用を受けることができる共有地は、甲、乙それぞれのどの部分か。
【答】
甲及び乙は、合計して敷地全体のうちA家屋(居住用家屋)の
敷地の用に供している割合(1/2)を超えない範囲で、
それぞれ本件特例の適用を受けることができる。
【理由】
民法第249条《共有物の使用》は、各共有者は、共有物の全部について、
その持分に応じた使用をすることができると規定しており、また、
民法第251条《共有物の管理》は共有物の管理に関する事項は、
各共有者の持分の価格に従い、その過半数で決定すると規定している。
そうすると、土地の共有者である甲及び乙は、A家屋又はB家屋の
いずれの家屋の敷地にそれぞれの共有持分を優先的に使用するかを
定めることができることから、甲及び乙それぞれの共有持分の
譲渡がA家屋の敷地の譲渡に該当するかについて、当該決定に従い
判断すればよいこととなる。 さらに、本事例において、譲渡直前に
共有物分割により敷地の分割を行い、その上で譲渡した場合には、
A家屋の敷地として分割された土地については、当該土地の持分の全てに
本件特例の適用を受けることができるところ、共有物分割の手続を
とっていなかった場合でも、共有者間でそれぞれの利用状況を特定して
譲渡したものと解しても共有者間の認識に反しないと認められるときは、
これと同様に取り扱っても弊害はないものと考えられる。
したがって、甲及び乙がそれぞれの共有持分のうちA家屋の敷地に優先的に
使用すると定めた部分について、本件特例の適用を受けることができる。
なお、本件特例の適用を受けることができる部分は飽くまでA家屋の
敷地部分(土地全体の1/2)であることから、本事例において甲及び
乙が本件特例の適用を受けることができるのは、合計で土地全体の1/2までとなる。
※ 仮に、本事例において、土地の共有持分に応じて各建物の敷地について
共有物分割を行った場合、甲及び乙は共に譲渡した土地のうち
A家屋の敷地部分(それぞれ分割前の土地全体の1/4)について
本件特例の適用を受けることができる。 また、A家屋の敷地を
全て乙のものとする共有物分割を行った場合、甲は本件特例の適用を
受けることができず、乙は譲渡した土地の全て(分割前の土地全体の1/2)
について本件特例の適用を受けることができる。 共有物分割を行わず
譲渡した場合も上記同様、A家屋の敷地に甲及び乙のどちらの
共有持分を使用するか、甲及び乙が定めた部分について、
本件特例の適用を受けることができる。
【参考条文・通達・URL等】
措法35①
措法35③
措法31の3
所60
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