[soudan 17471] 株式を発行会社へ譲渡した場合の譲渡所得・配当所得の収入計上時期
2026年2月16日

税務相互相談会の皆さん
下記について教えて下さい。

【税  目】
所得税<申告所得税・源泉所得税>(山形富夫税理士),所得税<譲渡所得>(石田一弘税理士)

【対象顧客】
個人

【前  提】
〇クライアント:父からの相続により非上場会社A社の普通株式15,000株を取得したB氏。

〇A社:非上場の3月決算法人。

株券発行会社。

毎年同じ流れで自己株式の取得を一定数行っている。

〇時系列R7.6.27 A社定時株主総会において自己株式の取得を承認。

同日の定時取締役会で同内容を決議。

R7.6.30 株主各位宛ての「当社株式取得のご通知」がB氏に届く。

株式の譲渡しの申込期日はR7.12.1と記載。

その他、今回株主から取得する株式の総数、
交付する1株当たりの金銭の額が記載。

R7.8月頃 B氏はA社へ所有するA社株式15,000株を売却したい旨を電話連絡。

その後、「株式売却申込書」の用紙がA社からB氏へ送付される。

R7.10月頃 B氏はA社株式15,000株を
A社へ売却する旨の「株式売却申込書」をA社へ提出。

R7.12月 A社取締役会で株式の売却申込が
承認R8.1.12 「有価証券譲渡契約書」が
A社からB氏へ届いたため、同日、署名捺印して返送。

A社の株券を同封するよう指示があったため、A社株券も同時に返送。

A社が指定した郵送の期限はR8.1.30。

~「有価証券譲渡契約書」の内容抜粋~甲は
乙に次の株式を譲渡することを約し、乙はこれを譲り受ける。

譲渡の条件は次の通り。

1. 株式の名称 A社普通株式2. 株式の
数量 15,000株3. 譲渡代金 20,550,000円4. 支払条件 R8.2.28までに指定口座宛に支払う。

みなし配当の源泉所得税は差引かれる。

5. 権利移転 譲渡代金の支払いと同時に所有権は移転する。

日付:R8.1.12とB氏が記入 甲:B氏 乙:A社R8.2.9 「株式売却代金振込」のご案内がB氏に届く。

R8.2.27に指定口座へ売却代金を振り込む旨、
みなし配当の源泉所得税額の案内、譲渡所得とみなし配当所得を
今年度の確定申告で申告する必要がある旨の案内が記載。

「今年度」がR7、R8のいずれを指すのかは不明。

【質  問】
〇B氏の譲渡所得及びみなし配当所得の確定申告は、
R7年分の申告として行うべきでしょうか。

それとも、R8年分の申告として行うべきでしょうか。

措通37の10-1によると、個人株主の株式に
係る譲渡所得の総収入金額の収入すべき時期は、
自己株式の取得の場合には「その法人の取得の日」と定められています。

所基通36-4によると、個人が受け取る配当所得の収入金額の収入すべき時期は、

みなし配当の場合において、自己株式の取得の場合には

「その法人の取得の日」と定められています。

そして、会社法159②において自己株式取得の場合には、

会社は「申込期日」に株式の譲受けを承諾したものとみなす旨、定められています。

また、下記の参考文献の書籍には、「株式譲渡契約書に記載された約定日は、

自己株式取得の効力発生日と何ら関係がない」旨も記載されています。

そのため、当方としては「その法人の取得の日=申込期日=R7.12.1」と考え、

B氏のR7年分の所得税確定申告でA社株式に係る譲渡所得および配当所得を
申告しようと予定しております。

ただ、A社との有価証券譲渡契約書によると所有権の
移転日は株式売却代金振込日のR8.2.27と記載されているため、
A社にとっての自己株式の取得の日は、R8.2.27と整理されているのではないか、

であればR8年分の確定申告で申告するべきなのか、と疑念が生じ、質問させていただきました。

ちなみに、A社の自己株式取得に関する問合せ窓口に電話をしても、

税務に関しての話は所轄税務署へお尋ねください、というスタンスです。

以下、「よくわかる自己株式の実務処理Q&A(第5版)-法務・会計・税務の
急所と対策/著者 有田賢臣、金子登志雄、
高橋昭彦/出版社 中央経済社/出版日 2021年11月」より引用第3章 自己株式の
実務Q&AQ-11 自己株式取得の効力発生日はいつになりますか?

A 株主から他の株主への株式譲渡の効力発生日は、

株券発行会社以外の会社では、契約で定めた日だと思われますが、
株券発行会社では、株券公布日だとされています(会128①)。

しかし、それは一般の個々の取引の場合であり、
発行会社が当事者となる場合には、自己株式の処分あるいは取得として

株主総会の決議等が必要となりますから、自己株式の処分の場合、
期日を定めたときは「期日」に、期間を定めたときは「出資履行日」に、

取得の場合には「申込期日」に効力が生じるものとされています(会209①・159②)。

したがって、発行会社への株券の引渡しは、
自己株式取得の効力が発生した後の履行の問題だと思われます。

Q-12 自己株式を取得する際に、発行会社と株主の
間で株式譲渡契約書を作成する必要はありますか?

A 株式の発行や自己株式の処分の際に株式譲渡契約を
締結しないのと同様に、作成する必要はありません。

自己株式の取得は、複数の株主から株式の譲渡しの申込みを受けた場合でも、

申込期日において一括的にその効力が生じるものとされています。

また、申し込まれた株式数が取得する株式数を超える場合には、

申し込まれた株式数に応じて按分して株式を取得することになります(会159②)。

実務では、株主から株式譲渡契約書の作成を求められることもあると思われますが、

それは確認の意味に過ぎず、その株式譲渡契約書に記載された約定日や譲渡する株式の数は、

自己株式取得の効力発生日や各株主から取得する株式の数とは何ら関係ありません。

【参考文献】「よくわかる自己株式の実務処理Q&A(第5版)-法務・会計・税務の
急所と対策/著者 有田賢臣、金子登志雄、
高橋昭彦/出版社 中央経済社/出版日 2021年11月」


【参考条文・通達・URL等】
措通37の10-1
https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kobetsu/shotoku/sochiho/020624/sanrin/1273/37_10-11/01.htm

所基通36-4
https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/shotoku/05/01.htm

会社法159②



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