久保さん
下記について、ご教示をお願いします。
【前提】
対象:法人
調査対象税目:法人税、消費税、源泉所得税
調査対象期間:H30年12月期(設立事業年度)~R4年12月期
事業内容:歯科技工サービス
事業規模:売上高1億円内外
税務署担当:統括官(前 査察部)、上席(前 調査1部)、調査官(新人)
指摘事項:材料の売却収入もれと原価計上もれ
調査時期:令和5年10月~
調査状況:
●資金繰りのため、代表者の母が法人で仕入れた材料(金)を買取業者に売却。
その売却金を代表者母の個人口座に入金し、法人の仕入先への支払いに充てていた。
代表者母は個人口座に入った売却金は全て法人の経費支払に充て利益がないので
申告する必要はないだろうと考え、税理士への資料提出もなかった。
●R2年度で税理士が個人口座への上記の入出金があることを知ったため資料の提出を受け
R2年度以降は上記の材料の売却と仕入について申告をした(売却損)。
●当初、R2~R4年度の3期で調査が入り、その期間での申告は適正に行われていたが
H30年、R1年度で上記取引の計上がもれていることが判明し、調査期間が5年に延伸された。
●延伸されたH30年度、R1年度において個人通帳取引の売上計上漏れの指摘を受けた。
仕入認容を税理士が集計し以下の修正申告内容をR6年2月5日に税務署に提出。
・H30年度(第1期)材料売上計上もれ75百万 材料仕入認容64百万 増差所得11百万 修正後課税所得1.8百万
・R1年度(第2期)材料売上計上もれ115百万 材料仕入認容117百万 増差所得▲3百万 修正後課税所得▲1百万
●加算税について、税務署は重加算税が相当とし、納税者側は一貫して仮装隠ぺいに該当しないとして過少申告を主張。
●修正申告内容を提出後、「調査は継続しています」という連絡のみ。H30年度については法定申告期限から5年を経過。
●令和6年3月下旬、税務署に呼ばれ、納税者と相談して以下の選択をして回答するように話があった。
・修正申告を提出する。この場合、売上を個人通帳に入金をした事情説明の書類を作成させてほしい。
・更正を受ける。この場合、売却差益部分は役員賞与とする。役員賞与とすることで消費税の特定期間に該当する可能性あり。
更正の際は、あわせて帳簿の不備があるので青色申告そのものの検討をする可能性もある。
その際、時効で修正申告はできない旨確認したところ、重加算なので時効は7年だと返答を受けた。
結論として、納税者が過少申告を主張するなら時効で修正申告をせずに更正になるか、
重加算税を認めて修正申告をするかの選択をするしかないとのこと。
ただし、更正を100%行うということではない、という謎の言葉も加えていた。
質問応答記録書等の書類は、確認、サインもしていない。
【質問】
①仮装・隠ぺいにあたるかどうか争っている状況で一方的に重加算だからと時効を7年に延長することはできるのでしょうか?
②そもそも、このような状況で重加算税を争うことはできないのでしょうか。
税務署は法人の収入を個人口座に入れているので外形的に重加算税を課す、と言っています。
納税者側としては、個人口座を使用したのは売却業者との取引の際に個人名義なら身分証だけで取引可能だったという便宜上の理由であり、隠す意図はなかった。
調査の際に資料は提供しており、R2年以降は適正に申告していたので、仮装・隠ぺいに当たらないと主張していますが、これは無理な主張なのでしょうか。
③法定申告期限から5年経過してしまったことで、納税者が取れる手続きは、重加算税を認めて修正申告を提出することしかできないのでしょうか。
④青色申告を設立事業年度まで遡って取消とは、意図的な不正はないにもかかわらず可能なのでしょうか。
⑤更正になると、役員貸付金処理は認められず、役員賞与になるしかない、というのは何か根拠があるのでしょうか。
修正申告の場合は貸付金処理を認めると言われています。その場合でも認定利息は役員賞与となるということでした。
時効を過ぎての交渉で、納税者のためにできることはあるでしょうか。
以上です。
ご検討をよろしくお願い申し上げます。
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